開発エンジニアのためのiPhone活用法(2) ―― iPhone抵抗値計算アプリでカラー・コードや刻印から抵抗値を求める

大木 真一

tag: 組み込み

コラム 2009年10月15日

 

コラム・シリーズ「開発エンジニアのためのiPhone活用法」
  第1回 iPhone電卓/計算機アプリを時定数やA-D変換,電荷量の計算に利用する

 

2.回路設計の手助けアプリ  

 電子回路の設計にはいくつかの壁があることを皆さんは実際に体験していることと思いますが,初期に立ちはだかる壁の中でもっとも大きいものの一つは抵抗器のカラー・コードではないでしょうか.黒茶赤橙黄緑青紫灰白の10色で0~9を表すこのコードは理屈と順番を覚えてしまえばなんてことはないのですが,慣れるまでは値を読み取ることができなかったり1kΩと10kΩを間違えてしまったりとなかなか苦労するものです.

 そんなときに便利なのが今回取り上げるいくつかの「抵抗値計算アプリ」です.抵抗値計算アプリはiPhoneのユーザ・インターフェースと相性がいいのか,日本ではiPhone 3Gのサービスが始まった2008年には既にApp Storeで配信されていたようです.たいていの抵抗値計算アプリはホイールのようなインターフェースを使って抵抗器のカラー・コードを順番に入力していくことによって抵抗値が分かる,という仕組みです.

 簡単な作りゆえにアプリケーションの数もやたらと多く,筆者が確認しただけでも無料のものが6本,有料のものが同数かそれ以上あります.ほかのアプリとの差異化を図るために工夫したり機能を増やしたりしているアプリもあり,アプリごとに微妙に違っているのが面白いところです.

 以下では,このうち4種類の抵抗値計算アプリを紹介します.

 

● iRegist(無料)

 iRegistは,かなり初期から存在する抵抗値計算アプリです(1).カラー・コードを色で入力できる画面が分かりやすくとっつきもよいのではないでしょうか(図1).カラー・コードは4本線のもののみに対応しています.


図1 iRegistのカラー・コード入力の画面
カラー・コードを色で入力できる画面が分かりやすい

 

 追加機能としてチップ抵抗の刻印から抵抗値を計算する機能(図2)と,その抵抗器に任意の電圧をかけた場合に流れる電流と消費電力を計算できる機能(図3)があります.消費電流,消費電力を計算する機能は抵抗器を電流制限抵抗として使う場合などに便利です.


図2 iRegistの4けたのチップ抵抗の画面
チップ抵抗の刻印から抵抗値を計算する

 


図3 iRegistの電流・消費電力計算の画面
抵抗に任意の電圧をかけた場合に流れる電流と消費電力を計算する
 

 

 チップ抵抗の値を計算する機能は刻印の数字が4けたなのですが,右端か左端のけたを空欄にするとよく使う3けたのチップ抵抗にも対応できます(図4).

 
図4 iRegistの3けたのチップ抵抗の画面
右か左のけたを空欄にすると,よく使う3けたのチップ抵抗にも使うことができる.


 

 そのほか,検索機能も付いており,ある抵抗値がカラー・コードでどう表現されるかを見ることもできます. 

 面白いところでは,加速度センサにも対応しており,iPhoneを振るとホイールがランダムな値に変化する機能が付いています.実用性は全くありませんが,クイズの問題程度には使えるかもしれません.ただし,ホイールの設定範囲を超えたところに値が行ってしまうことがほどんどなので,やはり実用的とは言えませんが…(設定でON/OFFを切り替え可能です). 

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