開発エンジニアのためのiPhone活用法(3) ―― iPhoneドキュメント閲覧アプリでファイルを転送・管理する

大木 真一

tag: 組み込み

コラム 2009年10月20日

 

コラム・シリーズ「開発エンジニアのためのiPhone活用法」
  第1回 iPhone電卓/計算機アプリを時定数やA-D変換,電荷量の計算に利用する
  第2回 iPhone抵抗値計算アプリでカラー・コードや刻印から抵抗値を求める

 

3.ドキュメント(PDF)閲覧アプリ

 Adobe社が開発し,仕様を公開しているPDF(Portable Document Format)というファイル形式が,技術者にとっても必須なのは皆さんも異存のないところだと思います.

 一昔前までは,買うなりもらうなり(「押しつけられる」というのもありましたが…)して,メーカから提供してもらわないと手に入らなかったデータ・シートやデータブックが,インターネット経由でいつでも簡単に手に入るようになり,本棚を占有しなくなったのは大変ありがたいことです.余談ですが,筆者が「あるマイコンの採用を検討している」と代理店に話したところ,段ボール箱が送られてきました.「一体何ごとか?」と思ったらマイコンの型番ごとのデータブックだったことがありました.

 もちろん,全体の「閲覧性」で言えば紙の方に軍配が上がりますが,特定の単語を全文検索するなど,紙ではほぼ不可能で,PDFのデータ・シートなら可能なことが存在するため,両者を併用するのがよさそうです.

 iPhoneでPDFを閲覧することの意義は,「どこでも閲覧が可能である」ということと,「パソコンの画面以外で閲覧できる」という2点です.ちょっと空いた時間,例えば昼食の待ち行列に並んでいる時など,データブックで気になっていた点をチェックし,疑問を解消できると,そのあとおいしく食事がいただけるというものです.また,設計時にパソコンの画面をPDFで占拠されてしまうと作業を行いにくいので,手元のiPhoneの画面でPDFが見られるのは助かります.

 もちろん,PDFのファイルはインターネット上にいくらでもあるので,ほかに鉄道の路線図などを入れておくと便利なことは言うまでもありません.

●アプリを使わずにPDFを閲覧した場合

 アプリを使わずにiPhoneのみでPDFを閲覧することも,もちろん可能です.メールに添付されているPDFファイルを閲覧したり,標準ブラウザのSafariでインターネット上にあるPDFファイルを閲覧したり,ということは皆さんもすでに行っていることでしょう.

 ただし,この方法にはいくつか残念な点があります.まず,本当に閲覧しかできないことです.iPhoneのユーザ・インターフェースの特徴であるタッチ・パネルを使ったピンチによる拡大や縮小は可能ですが,検索やページ単位のジャンプなどは一切行えません.また,ファイルを管理する方法がないので,どのメールに添付されているかを記憶しておかなければなりません.Safariではダウンロードして保存しておく手段が提供されておらず,Safariを終了したらそこまでです.

● PDF閲覧アプリを使った場合

 そこで,PDF閲覧アプリを使うことにします.PDF閲覧アプリには大まかに,以下の三つの機能が搭載されています.

 1.パソコンからPDFファイルを転送する
 2.ファイルを管理する
 3.PDFを閲覧する

 まず1.のPDF転送機能ですが,この機能を使ってパソコンに保存されているPDFファイルをiPhoneに転送することが可能です.ファイル転送はアプリごとに実装されているのでやり方はさまざまですが,無線LANを使うのが一般的のようです.iPhoneの無線LANをONにしてアプリを起動するとiPhoneそのものがWebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning)サーバとなり,パソコンのWebブラウザからアクセスしてファイルを転送するような仕組みになっています.

 以下では,二つののPDF閲覧アプリを紹介します.

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