物理層にUWBを用いるWireless USB接続 ――従来のUSB 2.0インターフェースと同じところ,違うところ
● デバイスの消費電力を抑えるためにRFをOFFにする
電力のほぼ70%がRF部で消費されることが知られています.Wireless USBの転送はTDMA方式を用いているため,デバイスはいつ受信していつ送信するかを正確に把握しています.したがって,デバイスを節電するもっとも効果的な方法は,アイドル期間中にデバイスのRF部の回路をOFFにすることです.
2番目に効果的な方法は,DN_Sleepを送信することで,デバイスに対していずれのトランザクションのスケジュールも設定しないようホストに要求することです.これによって,デバイスがスリープ状態に移行することで節電できるようになります.デバイスがトランザクションを再開するには,DN_RemoteWakeupをホストに送信します.
また,DN_Disconnectを送信し,ホストからデバイスを切り離して節電することもできます.その後,デバイスはホストと再接続することで,データ転送が可能となります.
Wireless USBでは,キーボードやマウス,ゲーム機器などの割り込みデバイスの消費電力をできるだけ抑えるため,デバイスがそのCTAに応答せずにスリープ・モードに移行できるようにしています.送信するデータがない場合,これらのデバイスは最大4秒の間スリープ状態にとどまれます.また,ホストがMMCの中でHostDisconnect_IEを送信し,すべてのデバイスを切断してチャネルを停止し,節電することもできます.