物理層にUWBを用いるWireless USB接続 ――従来のUSB 2.0インターフェースと同じところ,違うところ
● スター型トポロジ対応でUSBハブは必要なくなる
Wireless USBでは,有線のUSBと同じようにホスト・スレーブ・アーキテクチャをとります.また,USB 2.0の四つの転送タイプ,すなわちコントロール転送,バルク転送,インタラプト転送,アイソクロナス転送のすべてに対応しています.
ホストとそれに接続されるWireless USBデバイスの集合は,「Wireless USBクラスタ」と呼ばれます.USB 2.0のツリー型トポロジとは異なり,Wireless USBクラスタはスター型トポロジとなります.Wireless USBホストには最大127台のデバイスを接続できるため,クラスタ内でハブを使用する必要はありません(図2).
USB 2.0では,デバイスはケーブルを介してホストから電力供給を受けられました.一方,Wireless USBはケーブルを使用しないため,デバイスはすべて個別に電源を用意しておく必要があります.
USB 2.0は,ハイスピード・モード(480Mbps),フルスピード・モード(12Mbps),ロースピード・モード(1.5Mbps)の三つのデータ転送速度に対応しています.Wireless USBのホストとデバイスは,それぞれ表1に示すデータ転送速度に対応します注1
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注1;Wireless USBでは53.3Mbpsを基本のデータ転送速度と定義している.すべての標準USB制御要求やMMC(Micro-scheduled Management Commands)と呼ばれる特別な制御トークン,ハンドシェーク,およびデバイス通知(DN)には,この53.3Mbpsのデータ転送が使用される.
図2 トポロジ
USB 2.0ではツリー型トポロジをとっていたが,Wireless USBではスター型トポロジをとることが可能となり,ハブが必要なくなる.
データ転送速度(Mbps)
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ホスト | 53.3,80,106.7,160,200,320,400,480 |
デバイス | 53.3,106.7,200(これ以外はオプション) |