物理層にUWBを用いるWireless USB接続 ――従来のUSB 2.0インターフェースと同じところ,違うところ
ここでは,短距離ワイヤレス通信のUWB技術を用いた「Wireless USB」というインターフェース規格について解説します(図1).Wireless USBは通信方式(物理層およびMAC)としてマルチバンドOFDMを利用します(pp.128 -129のコラム「MBOAのMAC」を参照).2005年5月に,Wireless USB Promoter Group(米国Agere Systems社,米国Hewlett-Packard社,米国Intel社,米国Microsoft社,NEC,オランダRoyal Philips Electronics社,韓国Samsung Electronics社が参加)が最終仕様を策定しました.今後,認証テストやロゴのライセンスの策定については,USB-IF(Implementers Forum)へ移管されます.
Wireless USBでは,通信距離が3m以内で480Mbpsの広帯域を達成しています.Wireless
USBを用いることで,めんどうなケーブルの敷設を行うことなく周辺機器を接続できるようになりますが,その反面,セキュリティや通信の信頼性,消費電力などの面で解決するべき課題もあります.
図1 Wireless USB RF(物理層,MAC)の部分とコンバージェンス層までを共通プラットホームとして,業界団体WiMedia-MultiBand OFDM Alliance(WiMedia-MBOA)が規格策定を進めている.