物理層にUWBを用いるWireless USB接続 ――従来のUSB 2.0インターフェースと同じところ,違うところ
● オーバヘッドを低減するため,バースト転送に対応
通常,すべてのUSBトランザクションには,トークン,データ,ハンドシェークの三つのフェーズがあります.Wireless USBのトランザクションもこれに従います.しかし,Wireless USBでは,送信から受信(あるいはその逆)への切り替えに10μs以上かかります.切り替え時間をできるだけ短くするため,トークン,データOUT,データINの順にトランザクションのパケットをグループ化しています.トークンのオーバヘッドによってさらに多くの時間がかからないように,Wireless USBではMMC(Micro-scheduled Management Commands)と呼ばれる単一の制御パケットにすべてのトークンを集約しています.
図4にWireless USBにおけるトランザクションの例を 示します.最初に,ホストがMMCを送信します.すると,Wireless USBクラスタ内にあるデバイスがこのMMCを確認します.MMCには,ホストのクロック情報,次のMMCの開始時刻,CTA(チャネル時間割り当て)スロット,チャネル管理情報が含まれています.CTAは,デバイスがホストと通信するためのスケジュールを持っています.
図4 トランザクション・プロトコルの比較
Wireless USBではトークンのオーバヘッドを低減させるため,MMC(Micro-scheduled Management Commands)と呼ばれる単一の制御パケットにすべてのトークンを集約している.