ソフト・マクロのCPUでLinuxを動かす(前編) ――FPGAベースのボード・コンピュータを設計する
2. Linuxが動作するFPGAボードを作る
今回筆者らが開発したボードのブロック図を図2に,外観を写真1に示します.
FPGAには,米国Xilinx社の「Spartan-ⅡEファミリ」を使用します.ソフト・プロセッサとしては同社の「Micro
Blaze」を使用します(コラム「ソフト・プロセッサMicroBlazeについて」を参照).周辺I/OはMicroBlazeの開発キット「EDK6.1」に付属されているもののみを使用しています.ハードウェア構成は,uCLinuxを動作させることを想定して設計しました.
図2 開発したボードのブロック図
FPGAの「Spartan-ⅡE」とソフト・プロセッサの「MicroBlaze」を利用して実現したボード・コンピュータである.
写真1 開発したボードの外観
a)外観
b)仕様の概要
FPGA | Xilinx Spartan-II E(XC2S300E FT256) |
CPUコア | MicroBlaze |
水晶発振器周波数 | 14.7456MHz(FGPAの内部で2倍の周波数にてい倍) |
メモリ | フラッシュ・メモリ 4Mバイト SDRAM 16Mバイト |
コンフィグレーション | フラッシュ・メモリ上に記憶,コントローラ TE7720 |
JTAG | 2ポート(FPGA用,TE7720用) |
Ethernet | 100Base-TX/10Base-T |
シリアル・インターフェース | UART 115.2kbps |
タイマ | 2チャネル(1チャネルはOSで使用) |
フリーI/Oピン | 84ピン |
電源 | 電圧:3.3V 消費電流:200mA(プロセッサ動作時,Ethernet未接続時) |
基板サイズ | 72mm×47mm |
標準OS | uCLinux-2.4 |