ソフト・マクロのCPUでLinuxを動かす(前編) ――FPGAベースのボード・コンピュータを設計する

川岡 圭一

tag: 組み込み 半導体

技術解説 2004年8月16日

3. 試作から量産へ

 本ボードは,Spartan-3を採用することを前提として企画されたものです.Spartan-3はBRAMの容量アップ,乗算器の内蔵,DCM(Digital
Clock Manager)による動作クロックの可変など,ソフト・プロセッサを動作させるのに適したFPGAと言えます.

 開発当初はSpartan-3が入手しにくかったため,入手の容易なSpartan-II Eを使用して試作を進め,Spartan-3が入手できた段階で量産仕様のボードを設計することにしました.Linuxを動作させるソフトウェア開発をより早く開始するためにも,入手可能なFPGAで試作しておくことが重要でした.このような開発手法を採ることができるのも,FPGAならではのことといえます.

 本稿執筆段階では,Spartan-3を使用した量産仕様のボードの評価を始めています.評価結果は後編で紹介する予定です.合わせて,Linuxの実装,ネットワーク対応機器への応用事例を紹介します.

参考・引用*文献
 (1) Xilinx;Spartan-IIE 1.8V FPGA Family:Complete Data Sheet.
 (2) Xilinx;Spartan-3 FPGA Family:Complete Data Sheet.
 (3) Xilinx;MicroBlaze Processor Reference Guide.
 (4) Xilinx;Logic Core Product Overview.
 (5) 東京エレクトロンデバイス; TE7720 DATA SHEET.


かわおか・けいいち

(株)アットマークテクノ

<筆者プロフィール>

川岡圭一.電子回路設計者.しごとの合間に,おもしろそうな部品を探している.今回のボードと接続して,いろいろなものを製作したいと考えている.

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