組み込みプロセッサの最新動向 ――ヘテロジニアスなマルチプロセッサ構成が主流に
かつてプロセッサと言えば,システムを規定する中心的な役割を果たしていた.しかし現在では,負荷の高いデータ処理を行う主役はアクセラレータやDSP(digital signal processor)などに移ってきている.チップ内には複数のIPコアが配置されるため,それらの相互接続方式(オンチップ・バス)もシステムLSI設計の重要な要素である.また,構成を柔軟に変えることのできるプロセッサも台頭してきている.本稿では,混沌としたこれらの組み込み向けプロセッサの動向を解説する. (編集部)
標準品の汎用プロセッサを買ってきてそのまま使えばよかった古き良き時代は,すでに過去のものとなってしまいました.「SOC(system on a chip)化が進んだ」と言うのは,単に集積度が上がったということではありません.その辺で売っている標準品を使ったのでは他社製品との差異化もシステム・コストの低減もできない,という機器開発側の判断により,特定用途に特化したプロセッサが広く使われるようになったということでしょう.