高速化が図られ用途も広がるシリアル・インターフェースの世界

Richard Nass

tag: 組み込み

技術解説 2001年5月 8日

2.問題は電源

 これらのインターフェースをポータブル・システムで使用したいと考えた場合,その鍵となるのは消費電力だ.USB 2.0は,バージョン1.1ときわめてよく似た電源問題を抱えているため,なんらかのバス・パワー・デバイスを使用することになるだろう.つまり,USB周辺機器はホスト機器から唯一の電源として供給を受けることを意味する.このため,その周辺機器が消費電力の節減を念頭に設計されていなければ,システムの電源電力が急速に消費されてしまう.

●サスペンド・レジューム機能

 USBの場合もIEEE 1394の場合も,それがもつサスペンド・レジューム機能を活用することが重要となる.ほとんどのIEEE 1394の物理層には,この能力が搭載されている.USB準拠の周辺機器は一般的にはIEEE 1394よりも単純で,サスペンド・レジューム機能の組み入れは,IEEE
1394の場合ほど複雑ではない.

 米国LSI Logic社の1394 and USB product marketing managerであるMatt Pujoi氏は,「IEEE 1394aの場合,サスペンド・レジューム機能によって,バス・マネージャやその他のデバイスが,バス上の別のデバイスをサスペンドできる.だから,IEEE 1394準拠のデスクトップ・パソコンやセットトップ・ボックス,ノート・パソコンは,バス上の機器に停止命令を送って電源消費量を下げるよう命令することができる」と述べている.

 LSI Logic社では,同社のCoreWareライブラリに多くのシリアル・バス・コントローラを用意しており,そのようなアプリケーションのためにASIC開発フローを単純化している.同社では現在,IEEE 1394版とUSB 1.1版を提供している.USB 2.0コアは現在開発中だ.

●480Mbpsサポートは必要か

 USB 2.0では,480Mbpsの速度が定められている.現実にUSBとして480Mbpsの速度が必要なのだろうか.「必ずしも必要ではない」と語るのは米国Kawasaki LSI社のvice-president of marketingであるJoel Silverman氏で,「みな,USB 2.0準拠の製品を当社に要求するが,全員にとってそれが本当に必要だとは思えない.USB 1.1の速度で十分に対応できる旧来の装置にまでUSB 2.0の速度がどうして必要なのか,理解できない」と述べている.

 Kawasaki LSI社は,ハイエンド・ポート・レプリケータと組み合わせて使われるUSB 2.0チップを構築することが,最善のアプローチと考えている.このような部品には,一つの周辺機器にシリアル,またはパラレル,あるいはEthernetポートを搭載することが考えられる.このような機器ではUSB 2.0の処理能力が必要であろう.

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