高速化が図られ用途も広がるシリアル・インターフェースの世界

Richard Nass

tag: 組み込み

技術解説 2001年5月 8日

●セットトップ・ボックスとシリアルI/F

 USB市場が予測どおり成長するには,パソコンの周辺機器だけではなく,他の領域でも使用される必要があることは明らかだ.その可能性がある分野の一つに,セットトップ・ボックスやその他のテレビ関連機器がある.これらの周辺機器の第1世代は,既存のホスト機器に対するスレーブ機器となるだろう.このような機器には,たとえばPCIやIEEE1394など,画像データを処理するためのバスがもう一つ設けられる可能性もある.その次の世代の周辺機器は,おそらくUSBで実現可能な機能をよりよい形で利用したものとなるだろう.

 シリアル・バスはパソコンの進化に大きな影響を与えるだろう.多くの業界専門家が,少なくとも家庭向け市場においては,現在ある形のパソコンの時代は終えんを迎えると予測している.将来の家庭用パソコンは,居間や台所にまで,設置されるというのである.このような家庭電化製品には,USBやIEEE 1394といった使用方法が単純なインターフェースが必要となろう.

 シリアル・インターフェースのほかにOSも家庭用パソコン市場に照準を合わせている.ユーザ・インターフェースを単純化し,「考えなくても」接続できるようにするための機能が盛り込まれている.そのようなOSの代表的なものとして,Windows CE,Linux,OS-9,VxWorksがある.

 このようなセットトップ・ボックスは,パソコンの周辺機器として接続できるし,あるいは特化した機能をもつパソコンそのものと見ることもできる.これにより,家庭内または外部のネットワークから情報をダウンロードできる.この機能を利用して,コンテンツ・プロバイダは,セットトップ・ボックスを多種多様な機器に変化させることができる.高性能で双方向性のあるセットトップ・ボックスを使って提供される機能は数多い.その多くは現在,インターネットに接続するパソコン向けとして提供されている.

 第1世代セットトップ・ボックスのほとんどは,IEEE 1394インターフェースを搭載している.次世代セットトップ・ボックスは,おそらくIEEE 1394を使いながらUSBホストとしての役割も果たすようになるであろう.セットトップ・ボックスの設計者の第一目標は,その使用方法を単純にするという点である.そのためには単純なインターフェースが必要だ.エンド・ユーザがプリンタや外部記憶装置に接続しようとした場合,最初から完全に動作しなければならない.今後のシリアル・インターフェースが本当に真価を発揮するのは,このようなアプリケーションにおいてである.

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