トヨタがハイブリッド車の新モデル2車種を発表,電気自動車の2012年モデルも続々 ―― 東京モーターショー2011
日本最大の自動車展示会「第42回東京モーターショー2011」の一般公開が2011年12月3日(土)に東京ビッグサイトで始まる.一般公開に先駆け,11月30日~12月1日には報道関係者招待日として展示会の内容が報道関係者に公開された(写真1).
東京モーターショーは,最近は千葉県の幕張メッセで開催されてきたのだが,今回は初めて,会場を東京都江東区の東京ビッグサイトに移した.このため南関東エリアから見ると,会場へのアクセスが楽になった.展示面積は前回(2009年)の約1.6倍である3万5,151m2,出展者数は前回の約1.36倍である176ブランド.
ハイブリッド車と電気自動車(EV)の展示は前回に劣らず,盛んである.ガソリン車やディーゼル車などの内燃機関を使う既存の自動車と同じように,ハイブリッド車や電気自動車でも車種が増えつつある.普通の自動車への第一歩を踏み出したように感じる.
本レポートでは前半で主なハイブリッド車を,後半で主な電気自動車の出展車両を紹介する.
●トヨタがコンパクト・クラスのハイブリッド乗用車を発表
電気モータとガソリン・エンジンを併用するハイブリッド車では,世界で初めてハイブリッド車の量産を始めたトヨタ自動車の展示が最も迫力があった.市販を予定している新しいハイブリッド車を2車種も発表したのだ.
一つはコンパクト・カーのクラスに向けた新規設計のハイブリッド乗用車「AQUA(アクア)」である(写真2).AQUAの外形寸法は全長3,995mm×全幅1,695mm×全高1,445mm(ホイール・ベース2,500mm).トヨタのガソリン乗用車でコンパクト・クラスのロングセラー「Vitz(ヴィッツ)」の外形寸法が全長3,885mm×全幅1,695mm×全高1,500mm(ホイール・ベース2,510mm)なので,寸法だけ見るとVitzをハイブリッド化した乗用車に近い.日本国内では2011年12月下旬に発売する予定である.
AQUAの外形デザインはハイブリッド乗用車「Prius(プリウス)」に似ている.日本ではAQUAだが,日本以外の市場では「Prius c」の車名で発売する予定だ.ガソリン1リットル当たりの走行距離(燃費)はJC08モード走行で35.4km,10・15モード走行で40.0kmと長い.
AQUAは排気量が1.5リットルのガソリン・エンジンと電気モータを搭載した.エンジン,トランス・アクスル,バッテリのそれぞれをPriusに比べて小さく軽くしたことをアピールしていた(写真3).またPriusとAQUAのパワー・ユニットとバッテリのカット・モデルを比較のために展示していた(写真4).