トヨタがハイブリッド車の新モデル2車種を発表,電気自動車の2012年モデルも続々 ―― 東京モーターショー2011
●スポーツ・カー電気自動車のコンセプト・モデルが登場
スポーツ・カーのコンセプト・モデルも,日産と本田技研がそれぞれ展示していた.日産が展示したスポーツ・カー「ESFLOW(エスフロー)」と本田技研が展示したスポーツ・カー「EV-STER(イーブイ スター)」である.
ESFLOWは,停止状態から5秒以下で時速100kmに達する加速性能を備えている(写真16).電気モータの大トルクという特性を生かした.満充電状態での走行距離は240kmと長い.また,リチウムイオン電池のレイアウトを最適配分することにより,重心を一定に維持している.これはガソリン車と違い,バッテリでは電気エネルギーの残りが少なくなっても重量が変化しないことによる.外形寸法は全長3,780mm×全幅1,780mm×全高1,245mm(ホイール・ベース2,470mm),乗車定員は2名である.
写真16 電気自動車のスポーツカー「ESFLOW(エスフロー)」
EV-STERは,最高速度が160km/h,満充電走行距離が160km(JC08モード走行)の小型スポーツカー(写真17).外形寸法は全長3,570mm×全幅1,500mm×全高1,100mm(ホイール・ベース2,325mm)である.バッテリはリチウムイオン電池,容量は10kWhである.このモデルにもMICRO COMMUTER CONCEPTと同様に,ツインレバー・ステアリングを採用した.
写真17 電気自動車のスポーツカー「EV-STER(イーブイ スター)」
●乗用車と商用車を融合させたコンセプト・モデルを展示
乗用車と商用車を融合させたコンセプト・モデルは日産が展示した.モデルの名称は「TOWNPOD(タウンポッド)」である(写真18).
写真18 乗用車と商用車を融合させたコンセプト・モデル「TOWNPOD(タウンポッド)」
TOWNPODは,前席と後席のドアが観音開きになるという独特のデザインを有する(写真19).前席と後席を仕切る支柱(Bピラー)を省いたため,観音開きのデザインが可能になった.このため,人間の乗り降りとともに,荷物の出し入れが容易になっている.また後部のドアも観音開きであり,さらに左右にスライドするため,車両後部での空間に余裕があまりなくても,ドアを開閉できる.外形寸法は全長4,230mm×全幅1,780mm×全高1,640mm,乗車定員は4名である.
ふくだ・あきら
フリーランステクノロジーライター
http://d.hatena.ne.jp/affiliate_with/