開発エンジニアのためのiPhone活用法(1) ―― iPhone電卓/計算機アプリを時定数やA-D変換,電荷量の計算に利用する
3) ドキュメント閲覧アプリ
PDF形式で配布されている各種開発用ドキュメントをiPhoneで閲覧するには,メールに添付し,送信して開くことになります.ファイル・サイズが大きくなると,開くことができない,または開くのに時間がかかるなどの弊害がありました.しかし現在では開発者の努力により,USB接続などを利用して巨大なファイルを転送して閲覧できるアプリが登場しています.数十Mバイトを超える「巨大な」PDFファイルも読むこともできるようになりました(図4).
図4 GoodReader
大容量/多ページのPDFファイルの閲覧に対応したPDFビューワ.
>>>「ドキュメント閲覧アプリ」の紹介(連載 第3回)はコチラ
4) 音楽アプリを使いこなす
音楽アプリとして,チューニングやトーン発生,そしてタイミング調整のアプリが多く出回っています.このほか,ストップ・ウォッチ,イベント・タイマなどのアプリもデザインが凝ったものが多く,秀逸です.「これが開発に?」と思われるかもしれませんが,なかなか重宝しています.デバッグの際にボード上のLEDを点滅させることはよくやりますが,手元にオシロスコープや周波数カウンタがないとき,この手のアプリは重宝します.さっとiPhoneを取り出して点滅周期からだいたいの割り込み周期を導き出したり,イベントの発生回数を記録するだけでも,大ざっぱな動作確認は行えます(図5).
図5 Metronome - Reloaded
毎分30~209回のテンポ設定が可能なメトロノーム.精度は抜群.
>>>「音楽アプリ」の紹介(連載 第4回)はコチラ
5) 外部パソコンの遠隔制御
iPhoneアプリに,VNC(Virtual Network Computing)というパソコンのリモート操作サーバ/クライアントが登場しています.このアプリを使って,パソコン上の開発ソフトウェアを制御する方法を紹介します(図6).
図6 Mocha VNC Lite
ホスト・パソコンの画面をiPhoneに転送し,遠隔でホスト・パソコンの操作を可能とするアプリ.
>>>「外部パソコンの遠隔制御アプリ」の紹介(連載 第5回)はコチラ
6) 外貨対応の経費管理アプリ
経費管理アプリとは,俗にいう「おこづかい帳アプリ」です.海外出張/旅行が多い筆者らには,意外に便利なアプリです.あとで経費を清算するときには,パソコン連携の機能もあいまって,紙の手帳よりも使用頻度が高いものです(図7).
図7 PocketMoney
外貨対応が可能な経費管理アプリ.普段の入出金管理だけでなく,海外出張時にも活躍.
>>>「外貨対応の経費管理アプリ」の紹介(連載 第6回)はコチラ
次ページでは,「電卓/計算機アプリ」について紹介します.