第3者試験機関によるPCI Expressコンプライアンス・テスト代行サービス ――いつでもテストでき,コストと時間を節約
2005年10月から,PCI-SIG(Special Interest Group)認可のもと,第3者試験機関によるPCI Expressコンプライアンス・テストの代行が可能となった.ここでは,従来PCI-SIGで行われてきたCompliance Workshopと比べたときのメリット,テスト方法などについて述べる.また,2005年12月,筆者らは実際に第3者試験機関を利用して,コンプライアンス・テストを行った.その際の手続き,テストの手順などを紹介する. (編集部)
筆者が自社の設計モデルにPCI Expressの採用を決めたのは,画像データの転送におけるバンド幅の不足を感じていたからです.本誌でもたびたび紹介されているように,パラレル・バスをベースとした既存のPCIバス・アーキテクチャでより高速なデータ転送を行うことは,すでに限界に達しており,いっそうの高速処理を実現するには,さらなる高速なインターフェースを採用する必要がありました.
また,新たに出荷されるパソコンのメイン・ボードでは,PCI Expressの搭載が標準的になりつつある(ユーザ側での環境も整いつつある)こともその要因でした.パラレルPCIバスはすぐさま消えてしまうことはないでしょうが,業界全体がPCI Expressへ移行しています.今後,PCIバス・スロットの本数は減っていき,PCI Expressスロットの本数が増えてくるでしょう.
● テストに合格すれば製品の付加価値が増す
コンプライアンス・テストとは,PCI-SIGが提供するコンプライアンス・プログラムの一環として,性能テストと相互接続性(interoperability)テストを実施するものであり,USB規格で言うところの"Plugfest"に相当するものです.
テストに合格していれば,製品の付加価値が増すことになります.産業用の組み込み機器には,安定動作が不可欠です.テスト合格によってその性能と相互接続性についてPCI-SIGより認定されているということは,それを証明する一つの方策と考えられます.
写真1は今回,コンプライアンス・テストを実施し,合格したボードです.
写真1 コンプライアンス・テストに合格したボード
イメージ・キャプチャ・ボード.詳細はWebサイトを参照.