第3者試験機関によるPCI Expressコンプライアンス・テスト代行サービス ――いつでもテストでき,コストと時間を節約

川上誉

tag: 組み込み

技術解説 2006年6月29日

2)いつでも受けられる

 いちばん大きなメリットは,スケジュール的な制約がないことです.今までのコンプライアンス・テストはPCI-SIGが年に数回(例年なら年間6回ほど実施.内訳はカリフォルニアで4回,台湾で2回ほどのようだ)行うワークショップにタイミングを合わせて参加し,合格する必要がありました.

 このテスト代行サービスによって,社内でのデバッグの終了と同時にテストを受けられます.テスト中に問題が見つかったとき,これまではワークショップが開催されている1週間(実質3~4日)のうちに問題を修正しなければなりませんでした.そして合格できなければ,次のワークショップ開催までの間,追試のチャンスをじっと待たなければならなかったのです.

 テスト中に発生した問題などを確認できるデバッグ・サポートも提供されるため,ユーザが直接自分の目で問題点を確認できます.テストそのものは台湾で行われますが,時差が1時間とあまり大きくないため,何か問題が見つかった場合,日本国内で早急に対策を検討することも可能でしょう.今後,国内での需要が高まれば,上記のようなサービスのすべてを日本国内で提供する可能性もあるそうです.

3)コストと時間を減らせる

 米国で行われるコンプライアンス・テストは無償で参加できるのですが,カリフォルニアまでの往復航空券やホテル代,人件費などを考慮すれば,このテスト代行サービスは経済的なメリットも十分にあります.

 テスト代行サービスを利用する場合,通常,テストに立ち会う必要はありません.Allion社の日本窓口に対してテストを申し込み,開発したボードやボードに付属するソフトウェア,書類,外部機材一式を送るだけです.

 今回,筆者らは初めて,Allion社にテストの実施を依頼したこともあり,実際のテストに立ち会わせてもらうことにしました.Allion社は,試験・認証機関として多くの会社の製品を取り扱っている会社だけあり,訪問の際は,筆者らが持ち込んだ機材以外はすべて別室に移動してありました.社内の移動や写真撮影についても制約があり,顧客に対する守秘の配慮が感じられました.

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