第3者試験機関によるPCI Expressコンプライアンス・テスト代行サービス ――いつでもテストでき,コストと時間を節約

川上誉

tag: 組み込み

技術解説 2006年6月29日

● チェックリストをPCI-SIGに提出する

 通常,ワークショップをパスした個々のベンダは,速やかにコンプライアンス・チェックリストと呼ばれる確認書類をPCI-SIGに提出しなければなりません.このリストはPCI-SIGのWebサイトから入手できるので,自分で各項目についてYes,No,N.A.や,コメントなどを書き込みます.このチェックリストがPCI-SIGによって問題ないと判断されれば製品がPCI Expressに準拠していると認められ,インテグレーターズ・リストに掲載されます.

 テスト代行サービスでは,図1に示したように,まず,このチェックリストを先に提出しておく必要があります.これはコンプライアンス・テストにパスした後,PCI-SIGへの書類提出をスムーズに行うためであり,とくに内容の事前チェックを行ってくれたりするものではないので,注意してください.

 余談ですが,このリストには仕様上の必要条件なども書かれているのでPCI Expressのアドイン・カードを設計する際にも役に立つと,後からリストを記載する際にしみじみ思いました.

 また,Allion社のサービスを利用する際には,別途,同社の用意する書類に必要事項を記入して提出しなければなりません.一つは単にテストIDを発行してもらうための用紙であり,もう一つはコンプライアンス・テストを実施した後にPCI-SIGに対して提出する実施レポート(申請書類)です.どちらも記載しなければならないのは会社名やベンダID,技術的な問い合わせ先,営業的な問い合わせ先,アドイン・カードなのかプラットホームなのか,サポートするレーン幅,製品の簡単な説明などです.

● まとめ

 通常,Allion社におけるテストでは,そのテストで必要とされる内容よりやや広い範囲でテストするということです.今回,筆者らの持ち込んだ製品も,2006年から開始されるPCI Express 1.1(以下,Rev.1.1)のテストとあわせて実施され,合格できる実力であることが判明しました.やや広い範囲でテストを行ってもらえることは,製品本来の実力を判断するためにも役立ちます.

 Rev.1.1の信号品質のテストは,専用のテスト・フィクスチャであるCBB1を利用して行われます.テスト結果の詳細については,Allion社からPCI-SIGに提出されるコンプライアンス・テスト実施のレポート内にも記載されていました.


参考・引用*文献
 (1) PCI-SIGのWebサイト,
http://www.pcisig.com/
 (2) PCI Expressについての情報の入口,
http://www.pcisig.com/specifications/pciexpress/
 (3) PCI Expressのコンプライアンス・テストについての情報,
http://www.pcisig.com/specifications/pciexpress/compliance/
 (4) PCI Expressコンプライアンス・チェックリストのダウンロード先,
http://www.pcisig.com/developers/compliance_program/compliance_checklist/
 (5) PCI Expressインテグレーターズ・リスト(アドイン・カード),
http://www.pcisig.com/developers/compliance_program/integrators_list/pcie#addin/


かわかみ・たかし
<筆者プロフィール>
川上誉.画像処理が大好き.現役エンジニアのつもりが,実際は「元エンジニア」に限りなく近いところにいる.今では詳細設計にはかかわれず,企画,見積もり,技術営業に近いことばかりやっている.

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