つながるワイヤレス通信機器の開発手法(14) ファームウェアを設計する(その2) ──エラー制御と高周波制御を実現する方法
● エラー検出とメッセージの組み立てはハードで実現
図3に,ARQの機能をハードウェアとファームウェアの協調動作で実現しているようすを示す.図3の場合,携帯電話の基地局が図2の送信側,携帯電話が図2の受信側に相当する.
基地局から送られてきた信号は無線回路を通り,エラー検出回路でエラーが検出される.ファームウェアはリード・レジスタを介してエラーの有無を知る.ファームウェアでエラーなしを告げる正常受信通知(ACK)を返すか,エラーありを通知する再送要求(NAK)を返すかを決定する.ライト・レジスタでは,正常受信通知または再送要求のいずれかを設定する.ライト・レジスタに書かれた情報を見て,ハードウェアであるメッセージ組み立て回路が正常受信通知または再送要求のメッセージを組み立て,無線回路を通して携帯電話の基地局に送信する.