つながるワイヤレス通信機器の開発手法(14) ファームウェアを設計する(その2) ──エラー制御と高周波制御を実現する方法
また,基準発振回路側に分周回路を内蔵し,基準発振回路の周波数より細かいステップ幅でVCOの発振周波数を制御することも可能である.例えば,図9の回路でM=5,N=46に設定する場合,基準発振周波数が10MHzであればVCOは(10MHz÷5)×46=92MHzを発振する.このように分周回路を一つ追加することで,さらに多くの周波数を得ることができる.なお,図9の点線で囲った部分を一つのパッケージに収めたPLL用LSIが,各半導体メーカから出荷されている.例えば,図10の富士通のPLL
周波数シンセサイザ「MB1511」は,図9の点線で囲んだ部分とこれらの制御回路を含んでいる.
図9 基準発振回路用分周回路
基準発振回路側に分周回路を内蔵し,基準発振回路の周波数より細かいステップ幅でVCOの発振周波数を制御することが可能.
図10 PLL用LSIの例
富士通のPLL 周波数シンセサイザ「MB1511」のブロック図である.このLSIは図9の点線で囲んだ部分の基準発振器用分周回路,位相比較用分周回路,位相差検出回路,およびそれらの制御回路を含んでいる.