ASIC量産設計に取り組むにあたっての心がまえ ──映像と通信が融合する"ディジタル新時代"に求められる技術者像
●ディジタル新時代の新市場を創造し,けん引するのは...
世はまさに"ディジタル新時代"に入ろうとしています.日本ではディジタル地上波放送が始まります.米国ではディジタル・ケーブル規格が決まり,ハイビジョン衛星放送のサービスも開始されようとしています.
これらの新しいサービスが普及するにつれて,ディジタル情報家電機器も新商品が生まれようとしています.放送サービスと通信サービスが融合し,それらのサービスを受ける映像機器や通信機器の機能融合が始まります.
これらの機器を実現するためには,従来のそれぞれの機器が備えていたアーキテクチャを大きく変えていかなければなりません.また,今後も半導体微細加工技術やパッケージ技術は進歩し,これまで以上に高性能なプロセッサや新しい記憶素子,高速インターフェースなどが実現されていくことでしょう.
こういった新しい時代の新しい市場を創造し,けん引していくのは,システムや機器を熟知し,半導体技術に深い造けいを持った技術者です.新進気鋭の若手技術者に大いに期待したいと思います.
おかもと・こうせい
(株)東芝 デジタルメディアネットワーク社 LSI技師長
◆筆者プロフィール◆
岡本光正.1953年生まれ.静岡大学工学部 情報工学科卒.1977年,東京芝浦電気(現東芝)入社.ミニ・コンピュータのCPU設計に従事.1985年より,32ビット・マイクロプロセッサ開発,ノート・パソコン用チップセット開発に従事.近年は,東芝デジタルメディアネットワーク社の技師長として,ディジタル情報家電機器用システムLSIの開発に注力している.