ASIC量産設計に取り組むにあたっての心がまえ ──映像と通信が融合する"ディジタル新時代"に求められる技術者像

岡本光正

tag: 半導体

技術解説 2003年11月27日

●2年の開発期間の間に先進技術のコストが下がっていた

 筆者が経験したプロジェクトを二つほど紹介します.

 一つ目の例は,ノート・パソコン用チップセットを開発するプロジェクトです.

 本プロジェクトを企画した当時は,デスクトップ・パソコンが入出力バスとしてPCI(Peripheral Component Interconnect)を採用し始めたころで,この新方式のおかげで高性能を実現することが可能となりました.一方,ノート・パソコンでは従来のISA(Industry Standard Architecture)バスが使用されていました.この開発プロジェクトの目標は,PCIバスをノート・パソコンの世界に持ち込み,ノート・パソコンの性能向上を図ることにありました.

 ここでの大きな課題は,「電池駆動であるノート・パソコンのために,いかにして電力消費を抑えながらシステムを実現するか」,そして「32ビットとバス幅の広いPCIバスを,いかにしてコンパクトに実装するか」ということでした.

 ノート・パソコンにPCIバスを導入する場合,実装上の制約が大きいことから,まず,PCIバスの電気的特性をノート・パソコン向けに最適化することにしました.そのために,バスの消費電力を低減し,ASIC内部にも低消費電力化のための回路を組み込みました.実装面については,BGA(ball grid array)パッケージを採用してコンパクトな実装を達成しました.プロジェクトを開始した当時は,まだBGAは一般的な技術ではありませんでした.ところが,2年の開発期間が過ぎるころには,コスト的にも安価に利用できるようになっていたのです.

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