組み込みAndroidな元気人を探せ!(2) ―― 日本Androidの会 神戸支部のディープな世界に浸る
●神戸なのに大阪? 理由は「はんだづけ」
さて,日本Androidの会 神戸支部のハードウェア倶楽部を代表して,コア・メンバである吉田さんと石井さんに話を伺いました.
―― いや~,こうやって見ていると,アンドロ神戸の皆様,アツいですね.
吉田:ええ,参加者も増え,どんどん盛り上がってきています.
―― ところで,神戸なのに,どうして大阪日本橋で?
吉田:もともとは,別の場所だったのですが,なかなか,はんだづけできる場所がなくて....
―― そうですね.公共の会議室とかでも嫌がられますね.
石井:それで,お願いして,ここROBOBAを使えるように取りはからってもらいました.それに,基板やロボットの製作では,部品がすぐに手に入るでんでんタウンが便利なのです.
●ADK対応バージョンのわな
―― ところで,Android とマイコンをUSBでつなぐADKは,とっても面白そうですね.実は,私もADKを試してみたくて,HTC EVO注4を持ってきました.
注4:HTC社のEVO(ISW11HT)は,auから出ているAndroid端末であり,WiMAX対応のスマートフォンである.
石井:えっ,EVOですか...(引きぎみ).
―― ええ,元々のAndoridのバージョンは古かったのですが,2.3.4にアップしたので,つながるかなと.
吉田:確かにADKは,Andorid 2.3.4以降の対応ですが...(テンション低).
―― 何か問題でも?
石井:まあ,とりあえず,やってみましょうか.AndroidにDemoKitは入っていますか?
―― DemoKitって,AndroidアプリケーションのDemoKitのことですね.ダウンロードしてあります.
吉田:じゃ,ADKに対応したArduinoがありますので,USBケーブルでつないでみましょう.
―― Galileo 7注5の「ADK main board」ですね.
注5:「Galileo 7(ガリレオセブン)」はArduinoなどの販売を行っているネット・ショップである.同社はROBOBAのメンバでもある.
吉田:ええ,GoogleのオリジナルのAndroid Open Accessory Development Kit(ADK)と互換性のあるArduinoです.
石井:まずは,私の携帯でADK接続を試してみましょう.DemoKitのアプリを起動してUSBでつなぐと...(写真12).
写真12 Galileo7 ADK main boardと石井さんのスマホでADK接続
LEDのON/OFF制御ができた.

―― あっ,認識した.
石井:次に,DemoKitアプリのOUT画面で,I/OポートをONにすると!
―― LEDがついた!
石井:正常に動作しますね.次にHTC EVOでやってみましょう.DemoKitを起動してください.
―― はいっ,DemoKitを起動!...USB接続の待機中の画面です.
石井:では,USBでボードをつないでみます.ブチっ!
―― ワクワク....
石井:...(写真13).
写真13 HTC EVOとADK main boardをつないでも認識せず,待機中の画面のまま

―― あれ?認識しない...だって2.3.4のはずなのに?
吉田:実は,Andorid 2.3.4以降の端末でも,ADKが使えないものもあるのです.HTC EVO も....
―― えっ!?(ガビーン!) ADKでLEDチカチカを期待していたのに...orz
●使えるデバッグ用のプロトコル,MicroBridge
石井:ADKはダメでも,MicroBridgeを使えば,同じことができますよ!
―― MicroBridge?
MicroBridgeとは,Androidのデバッグ用のプロトコル「Android Debug Bridge(ADB)」を,制御用マイコンで使えるようにしたものです.
石井:Arduinoでもできますが,今日は,今回のでんもく会で製作しているPIC ADK mini board(rev.2)で試してみましょう.こうやって,HTC EVOにMicroBridgeに対応したアプリを入れて,USBで繋ぐと...(写真14).
―― あっ,認識した!
写真14 PIC ADK mini board(rev.2)とHTC EVOをMicroBridgeで接続する

石井:スマホのON/OFFボタンで,PIC ADK mini boardのLEDをON/OFFできますよ!
―― ほんとだ! LEDを制御できる!
吉田:このようにMicroBridgeを使うと,ADKが使えないAndorid端末でも,USBで接続することができます.
―― 面白い!これでRCサーボやDCモータを駆動すればもっと楽しいでしょうね.
石井:ええ,PIC ADK mini board(rev.2)には,サーボモータやDCモータを接続できるように,モータ・ドライバも搭載可能です.
―― みんなが熱中するわけだ.
PICマイコンをMicroBridgeで接続する方法の詳細は,前述の石井さんのブログのほか,google codeの「Micro Bridge PIC(microbridge-pic :Android Debug Bridge(ADB) imprementation for PIC microcontrollers)」のWebページで公開されています.