組み込みAndroidな元気人を探せ!(2) ―― 日本Androidの会 神戸支部のディープな世界に浸る

久保 幸夫

tag: 組み込み 電子回路

コラム 2012年2月 3日

●神戸なのに大阪? 理由は「はんだづけ」

 さて,日本Androidの会 神戸支部のハードウェア倶楽部を代表して,コア・メンバである吉田さんと石井さんに話を伺いました.

―― いや~,こうやって見ていると,アンドロ神戸の皆様,アツいですね.

吉田:ええ,参加者も増え,どんどん盛り上がってきています.

―― ところで,神戸なのに,どうして大阪日本橋で?

吉田:もともとは,別の場所だったのですが,なかなか,はんだづけできる場所がなくて....

―― そうですね.公共の会議室とかでも嫌がられますね.

石井:それで,お願いして,ここROBOBAを使えるように取りはからってもらいました.それに,基板やロボットの製作では,部品がすぐに手に入るでんでんタウンが便利なのです.

 

 

●ADK対応バージョンのわな

―― ところで,Android とマイコンをUSBでつなぐADKは,とっても面白そうですね.実は,私もADKを試してみたくて,HTC EVO注4を持ってきました.

注4:HTC社のEVO(ISW11HT)は,auから出ているAndroid端末であり,WiMAX対応のスマートフォンである.

石井:えっ,EVOですか...(引きぎみ).

―― ええ,元々のAndoridのバージョンは古かったのですが,2.3.4にアップしたので,つながるかなと.

吉田:確かにADKは,Andorid 2.3.4以降の対応ですが...(テンション低).

―― 何か問題でも?

石井:まあ,とりあえず,やってみましょうか.AndroidにDemoKitは入っていますか?

―― DemoKitって,AndroidアプリケーションのDemoKitのことですね.ダウンロードしてあります.

吉田:じゃ,ADKに対応したArduinoがありますので,USBケーブルでつないでみましょう.

―― Galileo 7注5の「ADK main board」ですね.

注5:「Galileo 7(ガリレオセブン)」はArduinoなどの販売を行っているネット・ショップである.同社はROBOBAのメンバでもある.

吉田:ええ,GoogleのオリジナルのAndroid Open Accessory Development Kit(ADK)と互換性のあるArduinoです.

石井:まずは,私の携帯でADK接続を試してみましょう.DemoKitのアプリを起動してUSBでつなぐと...(写真12).

 

写真12 Galileo7 ADK main boardと石井さんのスマホでADK接続

LEDのON/OFF制御ができた.

 

 

―― あっ,認識した.

石井:次に,DemoKitアプリのOUT画面で,I/OポートをONにすると!

―― LEDがついた!

石井:正常に動作しますね.次にHTC EVOでやってみましょう.DemoKitを起動してください.

―― はいっ,DemoKitを起動!...USB接続の待機中の画面です.

石井:では,USBでボードをつないでみます.ブチっ!

―― ワクワク....

石井:...(写真13).

 

写真13 HTC EVOとADK main boardをつないでも認識せず,待機中の画面のまま

 

 

―― あれ?認識しない...だって2.3.4のはずなのに?

吉田:実は,Andorid 2.3.4以降の端末でも,ADKが使えないものもあるのです.HTC EVO も....

―― えっ!?(ガビーン!) ADKでLEDチカチカを期待していたのに...orz

 

 

●使えるデバッグ用のプロトコル,MicroBridge


石井:ADKはダメでも,MicroBridgeを使えば,同じことができますよ!

―― MicroBridge?

 MicroBridgeとは,Androidのデバッグ用のプロトコル「Android Debug Bridge(ADB)」を,制御用マイコンで使えるようにしたものです.

石井:Arduinoでもできますが,今日は,今回のでんもく会で製作しているPIC ADK mini board(rev.2)で試してみましょう.こうやって,HTC EVOにMicroBridgeに対応したアプリを入れて,USBで繋ぐと...(写真14).

―― あっ,認識した!

 

写真14 PIC ADK mini board(rev.2)とHTC EVOをMicroBridgeで接続する

 

 

石井:スマホのON/OFFボタンで,PIC ADK mini boardのLEDをON/OFFできますよ!

―― ほんとだ! LEDを制御できる!

吉田:このようにMicroBridgeを使うと,ADKが使えないAndorid端末でも,USBで接続することができます.

―― 面白い!これでRCサーボやDCモータを駆動すればもっと楽しいでしょうね.

石井:ええ,PIC ADK mini board(rev.2)には,サーボモータやDCモータを接続できるように,モータ・ドライバも搭載可能です.

―― みんなが熱中するわけだ.

 PICマイコンをMicroBridgeで接続する方法の詳細は,前述の石井さんのブログのほか,google codeの「Micro Bridge PIC(microbridge-pic :Android Debug Bridge(ADB) imprementation for PIC microcontrollers)」のWebページで公開されています.

 

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