eneloopカートからEV消防車まで,ユニークな電気自動車が続々登場 の巻 ―― 第17回 日本EVフェスティバル2011 (3)
●ユニークなEVたちが続々と走る!
この「EVフェスティバル」の午後のメイン・イベントは,コンバートEV(コンバージョンEVとも呼ぶ)の耐久チャレンジである.しかしその前に,「なんでもEV」,つまりユニークなEVたちがデモ走行するというプログラムが用意されている(写真1).その中で,ちょっと驚いたEVをいくつか紹介しよう.
レポート・連載「第17回 日本EVフェスティバル2011」 バック・ナンバ
第1回 日の出前,筑波サーキットにEVが集っていた!の巻
第2回 片山 右京のEVカートは飛ぶように走り抜けた! しかし,トップは... の巻
写真1 デモ走行のために集まったユニークなEVたち
前列左から,ホンダJAZZをEV化したバイク"読売EVバイク",電動カート"エネループde5万円EV".中列左から市販されているEV"ASAHI POCKET",イタリアの3輪車ベスパAPEをEV化した"E-APE",EV消防自動車"EV PUMPER".
●40本のeneloopで走る5万円の3輪EVカートを展示
「エネループde5万円EV」は,昼前におもしろEVの展示場で見つけた,ちっちゃな不思議な3輪カート.遠目ではとてもEVには見えない(写真2).「大人が乗って動くんですか?」と失礼な質問をしてしまった.もちろん動くそうだ.電力源は,三洋電機の充電式ニッケル水素(NiH)2次電池"eneloop"を40本使っていて,DCブラシレス・モータを駆動している.さらに,回生エネルギーの回収のためにキャパシタ(コンデンサ)を搭載している(写真3~写真5).
写真2 遠目には子供用のカートかと思ってしまうが...
写真3 座席(背もたれを前に倒している)の後ろに電池,制御基板,モータが収められている
写真4 キャパシタの横に見覚えのある小さな赤い基板が見えた
『トランジスタ技術』2008年10月号の付録にあったDC-DC基板を使用している.
写真5 後輪はブラシレスDCモータをプーリで減速して駆動している
自分が乗って最大時速30km/h弱,航続距離は9kmという.実際にデモ走行したときには,意外にも(失礼!)軽快な走行に歓声があがっていた.すばらしい!(写真6,写真7)
写真6 費用は全部で5万円だったという製作者の後藤聡さん(本職は歯医者さん)
写真7 ちびの3輪EVをEVバイク,EV消防車が追いかける構図がおかしい!