USB 3.0規格のFAQ(3) ―― SuperSpeed USBのテストはどのように行うか?
SuperSpeed USB(USB 3.0)の物理層の規格について,FAQ(Frequently Asked Questions)形式で説明する技術解説の第3回である.本稿の読者対象は,パソコン周辺機器のエンド・ユーザではなく,組み込みシステムや半導体の開発エンジニアを想定している.今回は,認証テストに必要な基礎知識をまとめる.高速シリアル・インターフェースのテストでは,性質の異なるジッタ成分を分けて把握する必要がある.認証テストの測定では,USB 3.0特有の部分も存在するので注意が必要である.(編集部)
※ 本記事は2009年8月時点のUSB 3.0の仕様をもとに作成しています.改定などにより内容が変更される可能性があることをご了承ください.また,掲載された技術情報を利用して生じたトラブルについては,組み込みネット,著作権者,ならびにUSB-IFは責任を負いかねますので,ご了承ください.
Q.ロゴ認証を取得するには何が必要か?
A.USB 2.0の場合と同じように,USB-IFのプラグ・フェスタや民間のテスト機関でテストを受ける必要がある.
プラグ・フェスタ(Plug Festa)とは,シリアル・インターフェースの標準規格団体が年に数回開催するイベントです.現在開発中の機器を持ち込み,すでに規格適合が確認されている装置と実際に接続して,インターオペラビリティ(相互運用性)を確認し,規格認証テストを受けます.SuperSpeed USBの公式のプラグ・フェスタの開催は,2010年第1四半期に開始される予定です.それ以前にロゴ認証を受けて製品を出荷したい場合は,USB Implementers Forumが米国オレゴン州HillsboroにオープンしたPIL(Platform Interoperability Lab)に機器を持ち込み,テストを受ける必要があります.ただし,PILを利用できるのはUSB Implementers Forumの会員に限られます.
余談ですが,筆者が所属するTektronix社の本社は,PILからたった16kmのところにあります.米国Tektronix社をはじめとする計測器メーカは,テスト用の計測器貸与でPILに協力しています.PILの情報については,「SuperSpeed USB Platform Integration Lab」のページを参照してください.
なお,USB 3.0(SuperSpeed USB)のロゴ認証を受けるためには,USB 2.0の認証も必要となる点に注意してください.