プロセッサの低消費電力設計 ――プロセッサの低消費電力化は,聖域なき総力戦
● x86プロセッサは電源電圧や動作周波数を動的に制御
消費電力の低減に対して2乗のオーダで効く電源電圧の低減は,プロセス技術の微細化の観点からも必然的な動向です.これをさらに効果的に利用する方策として,動的な電源電圧および動作周波数の可変技術があります.米国Transmeta社のLongRun技術(現在はLongRun2)が先鞭をつけ,米国Intel社や米国AMD(Advanced Micro Devices)社も追随しました.
動的な電圧制御を行ううえでは電源回路が重要であり,条件を追い込んで使うには,プロセスのばらつきや個体差まで考慮に入れる必要があります.このため,実回路上の温度センシングやプロセス/回路動作センシングなどを行う場合もあります.例えば米国National Semiconductor社は,ARM系のプロセッサに対して適応的な電圧制御技術を提供しています.また,米国Texas Instruments社もSmartReflexと呼ばれる動的電源制御技術を発表しています.