あなたが設計したLSIから秘密情報が漏れてます ―― 暗号回路のトレンドはアルゴリズムの標準化から実装の安全性評価へ

佐藤 証

tag: 組み込み

技術解説 2006年4月 3日

●○● Column 2 ●○●
Enigma暗号機

 Enigma暗号機にはいくつかのバリエーションが存在します.

 図A-1はEnigma暗号機の動作原理を簡単に示したものです.ロータの下は暗号化された文字が点灯するランプ・パネル,その下が平文を入力するキーボード,そしていちばん下が文字の入れ替えを行うプラグ・ボードです.キーを押すと,プラグ・ボード,ロータ,ランプ・パネル,内蔵バッテリを結ぶ閉回路ができて,選ばれたランプが一つだけ点灯するしくみになっています.

 このEnigma暗号機の基本ロータは5種類で,その両側には26個の金属の接点があり,内部で入出力をランダムにねじるような配線が施されています.各ロータの周りにはアルファベット26文字が記された調節リングがはめられ,暗号機本体にセットしたときにその文字の一つが初期位置として小窓から現れます.右端のロータは文字を入力するごとに一つ位置がずれ(回転し)ます.中央のロータは26文字入力ごとに一つ,左端のロータは26×26=676文字入力ごとに一つ回転します.このロータの種類や位置の組み合わせが無数にあるため,ドイツ軍は解読不可能と考えていました.そこで,ドイツ語で「なぞ」を意味する「Enigma」という名まえが付けられました.

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図A-1 Enigma暗号機の動作原理

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