あなたが設計したLSIから秘密情報が漏れてます ―― 暗号回路のトレンドはアルゴリズムの標準化から実装の安全性評価へ
LSIからのデータの読み出しは,I/Oポートを介してのみ行われるわけではない.LSIが演算を行っているときに発する電磁波や熱,音などを測定,解析して,データを読み取ることもできる(いわゆる,サイドチャネル攻撃).例えば,暗号回路部の処理を解析して秘密かぎを割り出されると,企業秘密や個人情報が読み取られてしまう可能性がある.ここでは,暗号技術の歴史を交えながら,サイドチャネル攻撃についての業界の動向を紹介する. (編集部)
非接触ICカードやRFIDタグといった小型デバイスを用いた無線通信技術が,身近な生活の中にどんどん広がっています.非接触型のICカード方式に対応した自動改札や携帯電話が増えていますし,2005年日本国際博覧会(通称「愛・地球博」)の入場券にRFIDタグが使われたのも記憶に新しいと思います.キャッシュ・カードやクレジット・カードについても,偽造対策のため,接触型ICカードへの移行が進んでいます(コラム「ICカードのセキュリティ」を参照).以前は,磁気ストライプに数十バイトのデータが書き込まれていただけでした.