つながるワイヤレス通信機器の開発手法(15) ――プロトタイプを開発する
4.FPGAを使ったプロトタイプ
最近では,FPGAをプロトタイプに使用するケースも少なくない.FPGAは手元で回路情報を書き換えるだけで,内部の機能を変更できる.ちょうどフラッシュ・メモリにプログラムを書き込む手軽さで使用できる.
FPGAへの回路情報の設定は,JTAG準拠のインター フェースを介して行われる.回路情報のダウンロードは各FPGAメーカが用意しているダウンロード・ケーブル,またはROMを使って行う.ダウンロードする回路情報は図8のような手順で生成される.まず,回路をHDL(ハードウェア記述言語)で記述する.この場合,回路はRTL(register transfer level)のフリップフロップと組み合わせ回路相当の論理式で記述する.HDL記述の回路情報は論理合成によってフリップフロップとNAND,ORのようなゲート回路に変換される.フリップフロップとゲート回路に変換された回路情報は,使用するFPGAの内部構造に合わせてレイアウト(フィッティング)される.レイアウトが終了した回路情報は,ダウンロード・ケーブルなどでデバッグ・ボード上のFPGAやROMにダウンロードされる.
図8 回路情報生成
FPGAへダウンロードする回路情報は,図のような手順で生成される.