つながるワイヤレス通信機器の開発手法(15) ――プロトタイプを開発する

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2005年1月11日

3.モニタ機能にはUARTが必要

 モニタ・プログラムは,UARTを介してホスト・コンピュータとデータの授受を行うことで,モニタやデバッグ,ソフトウェアのダウンロードなどを行うためのしくみである.

 ハードウェアとしては,ASIC内部にUARTインター フェースがあればよく,特に専用の回路を組み込む必要はない.外部に対しても,パソコンやワークステーションのRS-232-Cポートと通信するための電圧変換を行う回路だけでことが足りる.UART機能はわざわざモニタ用に用意しなくても機器に用意されている場合があり,それを使用することも可能である.

 例えば,エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)が提供している『自動車携帯電話サービスを利用するための技術参考資料』(1)の中には後位インターフェースという仕様があり,そこでUART相当の通信インターフェースを規定している.

 また,Bluetoothの場合,コントローラ(ベースバンド,RF)とホスト(ホストCPU)の間にHCI(host controller interface)が規定されているが,これもUART相当の通信インターフェースになっている.携帯電話の場合,不正使用などの問題があり,モニタ情報を16芯インターフェースから吐き出すことは少ないが,設計時のデバッグや製造ラインにおける出荷検査には十分使用できる.Bluetoothの場合はベンダ固有のコマンドやメッセージを規定することが許されており,この規定に従ってデバッグ用のモニタ情報を出力できる.

 また,UARTの回路以外はすべてソフトウェアで実現するので,モニタで入出力するデータのフォーマットなどはシステムやアプリケーションに合わせてソフトウェア設計者が規定すればよい.

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