つながるワイヤレス通信機器の開発手法(15) ――プロトタイプを開発する
● CPUコアの選定はデバッグ環境も考慮に入れて
例えば,ARMプロセッサの場合,CPUの中にあるデバッグ回路(Embedded ICE Logic)と,"MultiICE"と呼ばれるJTAG デバッグ・ツールによって,デバッグ機能を 実現している.MultiICEとコア内部のEmbedded ICE Logicの間の通信は,JTAG インターフェースによって行われる.このほか,カスタムLSI向けに独自のデバッグ回路とJTAGデバッグ・ツール,およびそれらを制御するデバッガ・ソフトウェアをセットで提供するベンダもある.例えば,米国First Silicon Solution(FS2)社は,米国Altera社のCPUコア「Nios」,英国ARC International社のCPUコア「V186」や「Turbo186」,米国MIPS Techno-logies社のCPUコア「4K/4KE」など,さまざまなプロセッサに対応したデバッグ製品を出荷している.
大量生産品の低価格化に対応するカスタムLSIや多品種少量生産に適したFPGAの場合,性能やコストだけでなく,提供されているデバッグ環境まで考慮に入れて,CPUコアを選定する必要がある.