「組み込み」ならではの基礎知識 ――スタートアップ・ルーチンからハードウェアまで
●初期段階の確認がたいせつ
マイコンやハードウェアの初期化については,それぞれのマニュアルを読んで設定することになります.しかし,それぞれの機能が複雑になってきているため,これがけっこうたいへんです.そのため,プログラムをデバッグしていて動作がおかしいとき,初期化もれや設定ミスが原因である場合がよくあります.初めて使う機能の場合,設定が正しいかどうかを先輩にレビューしてもらうとか,動作検証を行ってみるなど,初めに注意を払う必要があります.全体のプログラムを組み合わせて検証しようという時点で,初期化もれや設定ミスのせいで動作がおかしかったということに気がつくことがよくあります.
また,マイコンやハードウェアの初期化を検討するときは,まさにハードウェアをどう使うか,あるいはハードウェアがどう動いているかを知る良い機会です.こういう機会をとらえて,ハードウェアに関する知識を習得していきましょう.
●格言:スタートアップに始まりスタートアップに終わる
スタートアップは,プログラム実行のための重要な下準備を行っている箇所です.これらの設定がわからないと,プログラムを動かすことはできません.そういう意味で,スタートアップは初めの第1歩です.また,デバッグのときも,スタートアップの設定を意識しておくことは重要です.スタートアップは,組み込みプログラム開発において,陰に陽にずっと関係し続けるものです.