手巻きモータ・キットとモータ制御ソフトを自作して高性能EVカートを作る ―― CQ EVミニカート・キットを7月に発売予定
●EVミニカート用の「モータ&インバータ・キット」の製作が必要
CQ EVミニカート・キットは,CQ出版社が発売している「CQブラシレス・モータ&インバータ・キット」(標準タイプの税込価格は84,000円)と組み合わせて使用することを考慮して設計・製作しています.すでに当該モータをお持ちの方もおられますので,モータ&インバータは別売となっております.
「CQブラシレス・モータ&インバータ・キット」には,ボリュームによって回転数が変動するソフトウェアが標準添付されています(ソース・コード付き).しかし,このソフトウェアによって,当カートが快適に走行するわけではありません.ソフトウェアを改修するか,新たにソフトウェアを開発しなくてはなりません.同キットには,ソフトウェアの開発環境も用意されています.
また,「CQブラシレス・モータ&インバータ・キット」のモータのコイルの巻き方は,方式も巻き数も自由です.高速度や高トルクを優先するのか,高効率を優先するのか,ソフトウェア制御のやりやすさを優先するのか...を考えて,巻き方,巻き数,巻き線の太さなどを決めるべきでしょう.正解は一つではありません.もし.レースへの参加を考えるならば,そのコースの高低差,カーブの数などを考慮してソフトウェアを開発するべきでしょう.
さらには,インバータ基板のMOSFETに,より大きなパワーを出してもらうためには,熱冷却を真剣に考える必要があります.MOSFETは,ある温度以上になると,性能が急激に低下したり,壊れたり(燃えたり)します.よりパワーの出るMOSFETに強化する方法もあるでしょう.インバータ基板にはヒューズを,ミニカートにはブレーカを搭載していますが,プログラム上でも,そうした温度対策を組み込むことが望まれます.
ミニカートは電池駆動です.電池の容量の制約から,大きな電流を使用すると電圧降下が生じます.モータの特性は駆動電圧でも変化します.そうした点を考慮して制御ソフトウェアを組まないと,期待するモータ性能が得られないかもしれません.また,ブレーキを掛けたときに回生エネルギーを得る実験は,電池使用時にしかできません.
そうした実践的なモータ制御を,CQブラシレス・モータ&インバータ・キットとCQ EVミニカート・キットを使って試行錯誤しながら,何度も楽しみつつ,実験することができます.
●ガイダンス・セミナを用意
どうもミニカートの製作やモータ制御は難しそうだ,と思われるかもしれません.また,ミニカートについては,調整個所や保守はどうするのか...と心配される方もいると思います.そこで,本キットの購入予定者の方,購入を検討している方に対して「CQミニカート・キット製作ガイダンス・セミナ」を用意します.ミニカート・キットを購入される方には必ず受けていただきたいセミナです.
その第1回セミナは,
2013年7月7日(日) 13時30分~16時30分
場所:CQ出版社セミナ・ルーム
参加費2,000円
を予定しています.申し込みは,こちらです.
これまでにも実施している,モータ・キットを組み立てて完成させる「実習・モータ&インバータの原理と組み立て」 (6回目)も2013年8月に開催予定です.
また,上記のセミナとは別に,「カートのためのモータ制御プログラムの開発(仮)」という技術セミナを2013年8月に実施する準備を進めています.これはCQブラシレス・モータ&インバータ・キットとCQ EVミニカート・キットの利用を前提にしたセミナです.
関連技術情報は,『トランジスタ技術』などのCQ出版社の雑誌記事,およびWeb上に順次掲載していく計画です.