歴史的に初めて時速100kmを達成した伝説のEV「ジャメ・コンタント」を再現 ―― 日本EVクラブがキット化,組み立てセミナを開催
●車体らしくなってきた!
作業はたんたんと続いたが,夕方が近づき,ピッチが上がっていった.日本EVクラブ所有の車体は,電装部のチェックも終わり,フロント部とリア部の木骨フレームを付け始めた.一気にクルマらしくなってきた(写真14~写真16).
写真14 フロント・フレーム(ヘッドライトや方向指示器付き)の取り付け
写真15 仕上げに向けて作業は急ピッチ
写真16 パワー系の電圧チェック(OKであればふたをして,上に座席が置かれる)
舘内氏に,今回のジャメ号の開発やセミナ開催について再び話をきいた.
「試作段階からいろいろ変更してきたので,設計担当の水嶋さんは苦労があったと思う.さらに,2日間で組み立てられるようにする事前準備がとてもたいへんだった.準備から製作まで,当クラブの強力なベテランのメンバにサポートしてもらったので,ここまでたどり着くことができた.とはいえ,部品点数からしても2日間で組み立て完了というのは少し無理があるかもしれない」.
また,スペックが豪華である点を指摘したところ,
「豪華ではないと思う.日本EVクラブはクルマ好きの方が多い団体だし,たんに動けばよいクルマを作ろうとは思っ ていない.どういうクルマを作るか,という点ではこだわっている.EVの魅力をはっきり見せたい.だから,モータも従来ブラシ付きで進めていたが,なかなか満足できるものが見つからなかった.土壇場で要求に応えられるブラシレスDCモータが入手できることになり,それを選択した.ただ,リチウム・イオン電池については,入手可能性で選択肢が少なく,入手できそうなものも安全性の観点から設けられた使用上の制約が厳しすぎて,われわれの期待する仕様は得られないと判断し,採用を断念した.ここが少し残念.結局,鉛電池16個直列による192Vで動かしている」
という返事だった.
突然,周りが明るくなったと思ったら,ヘッド・ライトのテストを行っていた.そういえば先ほどアクセルを押して後輪が回転するかをテストしていた(写真17,写真18).テストも佳境に入っていた.
写真17 ブレーキ灯,テール灯,ナンバ灯....点灯するかを順次チェック
写真18 ヘッドライトも点灯した!