破壊と創造のサイクルを回せ!《実装編》 ―― ものアプリハッカソン(2)
●審査発表
5チームから,審査員による最優秀賞と,参加者の投票によって決まる参加者賞が発表された.
- 審査員最優秀賞:チーム「独りじゃない」の子育てする時間を共有するホーム・プラネタリウム「SHARING STAR」(写真28)
- 参加者賞:チーム「ちい」の「おばあちゃんのチーン」
写真28 最優秀賞を獲得したチーム「独りじゃない」のメンバ

審査員から,チーム「独りじゃない」の作品は,家庭向けだけではなく,イベント会場などで多人数で使うといった応用も考えられる.とコメントがあった.参加者からも,「とん,とん,とん,といった肌の触れ合いで星が輝くという,なんともロマンチックな雰囲気が良い」との意見が出た.ちなみに次点は,チーム「KodoQ」の「怒りを愛にカエル」だった.
参加者賞を獲得したチーム「ちい」の作品は,仏壇の鈴をチーンとするだけの,シンプルなインターフェースであるが,遠く離れたおばあちゃんとコミュニケーションできる,ほんわかとした感じが共感を得たようだ.インターネットを介して自動的にチーンと鳴る鈴の動作は,なんともシュールな感じだ.
●戦い終わって懇親会
最後に,参加者全員参加の懇親会が開催された.短くも長い2日間を戦いきった参加者たちに感想をたずねると,「2日間めっちゃハードやったけど,楽しかった」,「昼ぐらいまで絶対無理や! 完成できへん!と思っていた.でも,なせば成るものやね!」,「大きな可能性を感じた.ひょっとしたらハードウェアで起業できるのでは? とほんまに感じた」,「2回目があったら,ぜひ参加したい!」と,前向きな意見が相次いだ.中には,「もっと完成度を上げたかった.時間があれば...」,「ADKの技術をマスタしたかったけど,そんな余裕がなかった.これを機会に自学してみる」など,さらなる向上を目指す意見もあった.
また,「3Dプリンタがあったら...」とか「レゴ・ブロックだけでなく,レゴ マインドストームの機構部品(歯車やベルト,プーリー)があれば,メカの部分を手早くプロトタイピングできたのに」,「ハッカソンの日だけでも,電子部品店が会場に出張してくれないかな」,「1日目と2日目の間に1週間ほどの期間があれば,部材の調達や準備ができたのに」などの意見もあった.
ほかでは類がない「ものアプリハッカソン」.初めてのイベントであり,いろいろと課題もあったが,それ以上に,参加者がさまざまな可能性を見出せたことに意義があると感じた.この体験と感動を生かして,将来,起業するもよし,各自の職場に持ち帰ってイノベーションを引き起こすもよし.いずれにしても,参加者には何らかの道が見えたことと思う.元気な「大阪」,そして元気な「日本」を目指して,参加者それぞれが力を発揮してくれることを切に願う.
くぼ・ゆきお
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