破壊と創造のサイクルを回せ!《実装編》 ―― ものアプリハッカソン(2)
●プロトタイプ実現に苦慮
設計や試作はハードウェア系とソフトウェア系のメンバが担い,製品デザイナなどのクリエータ系のメンバは,製作するガジェットのデザインを担当することになる.グラフィックス・ソフトウェアや3D設計ソフトウェアを活用して,設計イメージがパソコンの画面に作成される(写真4,写真5).
写真4 たまご型の外装に,サーボ・モータやAndroid(スマートフォン)を組み込むためのスケッチ(チーム「ディスコミュ」の「親こっこ」)

写真5 内部構造のデザインがパソコンのドローイング・ソフトウェア上でぐるぐる回る

しかし,外装用の材料として用意されているのは,スチレン・ボード(発泡スチロールのボード)とレゴ・ブロックだけである.工具も,小型の電動丸のこと,カッタ・ナイフなどの事務用品程度.パソコン上のデザインを具現化するには,あまりにも制約が厳しすぎる.しかし,今あるもの,手に入るもの,はてはお菓子の箱や段ボールなど,その場にあるもののすべてを使って外装のプロトタイプが組み上がっていく(写真6,写真7).
写真6 スチレンボードを切り出してたまご型の外装を作成中

写真7 図面を基に,サーボ・モータやカメラ機能を担うAndroid(スマートフォン)を組み込む

●午後になって形が見えてきた
2日目の正午になるころには,各チームの買い出しメンバも戻ってきた.必要な部材がそろったチームと,望む部材が手に入らなかったチームと....あり合わせの部品ですませるために,急きょ設計や構想を変更するチームもちらほら.プレゼン開始まで,あと5時間.時間がない,との焦りが高まり,「昼ごはん抜きだ!」,「いや,食べなきゃダメでしょ! 体がもたないよ」などの会話が飛び交う.
なお,17時からのプレゼンテーションでは,スライドによる発表以外にも,自チームの製品/サービスをアピールするための寸劇と,パンフレットなどの印刷物も用意する必要がある.工程に余裕があるチームは,順次,シナリオ作りや寸劇の練習,印刷物の作成などに取り掛かっていく.しかし,工程が遅れ気味のチームは,それどころではない.
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