電気自動車やハイブリッド自動車がけん引する電子部品の進化 ―― TECHNO-FRONTIER 2012
エレクトロニクスとメカトロニクスに関する展示会「TECHNO-FRONTIER 2012」が2012年7月11日~13日に東京ビッグサイト(東京都 江東区)で開催された(写真1).来場者数は2万9,245名で,前回(昨年)の2万9,570名とほぼ同じだった.
エレクトロニクスとメカトロニクスが融合しており,なおかつ要求仕様の水準がどんどん高まっているのは,自動車分野だろう.ハイブリッド自動車が急速に普及し,電気自動車の市販が始まった現在,ガソリン自動車やディーゼル自動車などを含めて軽量化の要求は高まる一方である.
なぜ軽量化か.燃料の消費効率を高めるためである.軽くすれば,燃料当たりの走行距離が伸びる.環境により優しくなる.軽くするには,外形寸法を小さくすることが手っ取り早い.そこで小型化が,軽量化とほぼ同様に重要な要求となっている.このトレンドに沿った展示が,TECHNO-FRONTIER 2012では少なからず,見受けられた.
軽量化の手法で代表的なのは,パワー・デバイスと制御回路のモジュール化である.三菱電機やオン・セミコンダクターなどが,自動車用のパワー・モジュールを展示していた.
●3個のモジュールを組み合わせて自動車用3相モータを駆動
三菱電機は,モータ駆動用のパワー・モジュール「Jシリーズ T-PM」を開発中であるとして試作品を展示していた(写真2,写真3).3相モータを駆動するための1相分の駆動回路が1個のモジュールになっている.すなわち,このモジュールを3個使ってモータの駆動回路を構成する.ローサイドおよびハイサイドのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を収納した.ハイブリッド自動車や電気自動車などのモータ駆動用である.
また,IGBTモータ駆動回路と保護回路,3相分のIGBT回路を集積したモータ駆動用パワー・モジュール「Jシリーズ IPM」を参考展示していた(写真4,写真5).マイクロコントローラのPWM出力とこのパワー・モジュール,電源だけでモータ回路を構成できる.これもハイブリッド自動車や電気自動車などのモータ駆動用である.
tag: TECHNO-FRONTIER, 制御, 自動車, 電子部品, 電源