電気自動車やハイブリッド自動車がけん引する電子部品の進化 ―― TECHNO-FRONTIER 2012
●レア・アースを使わないの高性能磁石を展示
自動車分野以外では,レア・アースを使わないの高性能磁石が来場者の注目を集めていた.レア・アースの価格が高騰していることから,レア・アースを削減した磁石が求められているためである.そのなかでTDKが,レア・アースを含まないネオジム磁石とフェライト磁石を開発し,参考展示していた.
開発したネオジム磁石は,ジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)などの重希土類元素を含まない(写真11,写真12).しかし,従来と同等の磁気特性を実現したという.特に重要なのはジスプロシウム(Dy)である.生産量が少ない上に,中国からしか入手できない.このためジスプロシウム(Dy)の価格は高騰しており,近い将来に価格が下がる見込みがほとんどない.TDKは2013年4月に,ハード・ディスク装置の磁気ヘッドに載せるボイス・コイル・モータ向けに量産を始める予定である.
開発したフェライト磁石は,ランタン(La)やコバルト(Co)などの希少金属を含まない(写真13,写真14).従来の高性能フェライト磁石「FB9シリーズ」に近い磁気特性を得ている.2013年4月には量産を始めることを目標とする.
ふくだ・あきら
フリーランステクノロジーライター
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