3原色配列コードや電子ペーパ一体型RFIDタグなどに注目 ―― 第12回自動認識総合展
●タクシーやトラックなどの飲酒運転を根絶へ
自動認識システムの展示では,飲酒検査と免許証確認を同時に実施するシステムが目を引いた.デンソーウェーブが展示した「飲酒検査本人確認システム」である(写真9).タクシー会社やバス会社(旅客自動車運送事業者),運送会社(貨物自動車運送事業者)などでは,国土交通省の省令改正によって2011年4月1日より点呼の際に運転者に対してアルコール検査を実施し,その記録を保存することが義務付けられる.

写真9 飲酒検査と免許証確認,本人確認を同時に実施するシステムの説明パネル
デンソーウェーブが展示したのは,この省令改正に対応したシステムで,アルコール検知器(東海電子製),指静脈生体認証ユニット(日立製作所製),非接触ICカード読み取り装置(デンソーウェーブ製),パソコンで構成される(写真10).RFIDタグ(ICチップ)を埋め込んだ運転免許証を非接触ICカード読み取り装置で読み取るとともに静脈認証ユニットで本人認証を実施し,アルコール検知器で呼気を検査する.検査結果はパソコンに保存される.

写真10 飲酒検査と免許証確認,本人確認を同時に実施するシステム
●FeliCaカードをプリンタで印刷
要素技術の展示では,非接触ICカードとして普及しているFeliCaカードをラベルのように印刷するプリンタが注目を集めていた(写真11).サトーが製品化し,実演展示していた.普通,FeliCaカードはプラスチック製で,1枚当たりのコストは1,000円~2,000円かかる.ラベルのように印刷すると,1枚当たりのコストは200円~300円に下がるという.

写真11 FeliCa Liteカードをラベルのように印刷するプリンタ
印刷出力するのは,FeliCaカードでもセキュリティ機能を簡素化したFeliCa Liteである.ラベルは2枚組みになっており,1枚が情報を文字やコードなどで表記したラベル,もう1枚がRFIDタグのラベル.出力されたラベルを折り畳み,フィルムでラミネート加工することで社員証や学生証,会員証などとして利用できる(写真12).

写真12 印刷出力されたFeliCa Liteカードのサンプル
左上は印刷直後のラベル.印刷面とRFIDタグ面で構成される.右上は印刷面とRFIDタグ面を折り畳んだところ.その下はフィルムでラミネート加工した状態.
ふくだ・あきら
テクニカル・ライタ/アナリスト
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