データ・ロガーや測定器もデザインで勝負 ―― GOOD DESIGN EXPO 2010

●スマートフォンや携帯端末に関心集まる

　スマートフォンで来場者の関心を集めていたのは，NTTドコモの「LYNX」（SH-10B）とauの「IS01」である（開発元はシャープ，写真7，写真8）．どちらも5インチ・ディスプレイとQWERTYキーボードを特徴としている．来場者の反応を見る限り，全体的に丸みをおびた「IS01」は女性に，「LYNX」は男性に人気があるようだった．ただ，5インチのディスプレイは見やすいが，キーボードは不要なのではないかという来場者の声も聞かれた．

写真7　NTTドコモの「LYNX」（SH-10B）

写真8　auの「IS01」

　ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「Xperia X10」は，「人間的な曲線」，「緊張感による精密さ」をテーマにデザイン開発を行ったという（写真9）．男性・女性の来場者ともに，評価・関心が高かった製品の一つだった．

写真9　ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「Xperia X10」

　機能を最低限に絞ったキッズ向け携帯電話も，来場者の興味を引いていた．一つはauの「mamorino（マモリーノ）」（開発元は京セラ，写真10）．もう一つはSoftBankの「740N」である（開発元はNEC，写真11）．どちらも，利用できる機能は相手先が限定されている通話とメールのみとなっている．また，GPS機能を利用することで子供の現在地を把握できる．「mamorino」はダイヤル・キーもなく，ボタン操作のみのシンプルなデザインとなっている．

写真10　auの「mamorino」

写真11　SoftBankの「740N」

　携帯電話でもう一つ来場者の興味を引いていたのが，NTTドコモの「N-08B」である（開発元はNECカシオモバイルコミュニケーションズ，写真12）．タッチ・タイピングできるフルキーボードを備えた携帯電話であり，Wi-Fiを搭載しているため，自宅のパソコンの遠隔操作も可能となっている．サイズやデザイン的には持ち運びに便利そうではあるが，機能的には単なる携帯電話というところで，首をかしげる来場者の姿も見られた．

写真12　NTTドコモの「N-08B」

　パソコンの分野で来場者の注目が高かったのは，東芝の「libretto W100」である（写真13）．本製品は「libretto U100」（2005年）から約5年ぶりに復活したlibrettoブランドのモバイル・ノート・パソコンである．二つの7インチ・マルチタッチ・ディスプレイを備えており，本体を縦置きにすると電子書籍リーダになる．見開きの2ページ全体を，左右に1ページずつ表示できるため，紙の書籍と同じ感覚で読むことができる．二つのディスプレイは，独立して使うことも，一つにして使うこともできる．下部ディスプレイには，仮想（ソフトウェア）キーボードの表示が可能．

写真13　東芝の「libretto W100」

きたむら・としゆき