はり治療や低周波治療，心電図まで，家庭で使える手軽な機器が続々 ―― 健康博覧会2011 レポート

　2011年6月7日～9日，「今こそ届け"健康"のチカラ!」をテーマに，「健康博覧会2011」（Tokyo Health Industry Show）が東京ビッグサイト（東京都江東区）にて開催された（写真1）．主催はUBMメディア．

写真1　会場受付の様子

　本展示会は，健康食品やサプリメントから健康機器，フィットネス関連，オーガニック・エコ商材，化粧品，健康産業のサポート・ビジネスまで，数多くの健康関連商品とサービスが集まる健康産業界のトレード・ショーである．本展示会は2011年3月に開催予定だったが，震災の影響で6月に延期された．今回は，震災を受けて，緊急シンポジウム「災害時の健康問題とサプリメントなどの役割」が開催された．

●電動バイブレータで手軽に家庭ではり治療

　コノコ医療電機は，疲労回復，筋肉のこり，神経痛や筋肉痛の痛みを緩和する針付きバイブレータ「シンアツシン」を展示した（写真2）．中国伝統医学のはり治療の中に，はりを体内に刺すのではなく，皮膚を叩いて刺激を与える「梅花針」，「集毛針」といわれる療法がある．本製品は，この療法を応用し，針を取り付けた電動バイブレータが一定の強さで皮膚を刺激する家庭用マッサージ器である．バイブレータの筒先端面と12本の針先が，毎分3,000～3,600回転で微振動し，肌表面を刺激する．肌面に接触する針先は丸く加工されており，皮膚に刺さらないよう安全の向上を図っているという．

写真2　コノコ医療電機の「シンアツシン」

●親指だけで手軽に心電図を測定

　メディカル・エイジェントは，携帯型心電計「リード・マイハート Plus」を展示した（写真3）．本製品は，親指を乾式電極部に置くだけで30秒間の心電図が測定でき，主要なパラメータとして心拍数とST値，QRS幅の数値を表示する．サンプリング周波数は250Hz，A-D変換の分解能は12ビット．診断の状況に応じて，振幅2倍表示や2倍速の表示が可能．心電図を最大2時間まで連続で測定でき，本体に100回分の測定データを保存できる．パソコン用の心電図解析ソフトウェアが付属しており，USBケーブルでパソコンにデータをダウンロードして，年度別，ユーザ別などでデータを管理できる．本製品の開発元は台湾DailyCare BioMedical社であり，専任製造販売をトライテックが担当している．

写真3　メディカル・エイジェントが展示した「リード・マイハート Plus」

●睡眠状態をモニタして採点

　タニタは，睡眠状態をモニタする睡眠計「スリープスキャン SL-501」を展示した（写真4）．敷布団やマットの下に敷いたセンサ・マットで睡眠中の呼吸や脈拍，体動による振動を感知し，それらの情報に基づいて睡眠の深さを表示する（写真5）．深い眠りの割合や寝付いた時刻，途中の目覚めの回数などの情報から，睡眠の総合評価を表す指標「睡眠点数」を表示する．

写真4　タニタの「スリープスキャン SL-501」

写真5　スリープスキャン SL-501で計測した睡眠の深さ

　敷布団やマットの厚さは20cmまでなら測定が可能．センサはコンデンサ・マイクロフォン形式となっている．測定結果はSDメモリ・カードに自動的に記録される．測定時間は1時間～24時間．SDカードをパソコンにセットし，専用のデータ管理ソフトウェアを利用することで，より詳細な解析を行うことができる．本モニタで測定することにより，睡眠の状態やその傾向を把握し，生活習慣や体調と比較することで，健康管理に役立てることができるという．