コンパクトな健康測定器やLEDを使った温熱器に注目 ―― 健康博覧会2012

北村 俊之

tag: 組み込み 電子回路

レポート 2012年3月23日

 2012年3月14日~16日の3日間,東京ビッグサイト(東京都江東区)にて,健康と美容に関連した商品やサービスが一堂に会する「健康博覧会2012」が開催された(写真1).1983年にスタートし,今回で30回目を迎える本展示会は,健康産業の成長とともにその規模を拡大してきた.

 

写真1 会場受付の様子

 

 今回は地場の健康商材を全国に紹介する「地域活性化ゾーン」(青森,新潟,大阪,北陸,島根,熊本,沖縄),スポーツを通じたヘルスケアを提案する「スポーツ&フィットネスゾーン」,関節・骨・筋肉などの運動器障害(ロコモティブ・シンドローム)の予防商材を集めた「ロコモティブシンドローム対策ゾーン」が新設された.併催は「第1回 オーガニック&ナチュラルプロダクツ展」と「第1回 健康・美容 通販サポート展」.主催はUBMメディア.

 

●指先で脈拍数や動脈血酸素飽和度を測定

 パシフィックメディコは,子供から成人まで利用できるフィンガ・ディジタル・パルス・オキシメータ「Pulse One III(PMP-125)」を展示した(写真2).パルス・オキシメータ(pulse oximeter)は,プローブを指先や耳などに付けることによって,脈拍数と経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)をモニタする医療機器である.本体の外形寸法は34mm×31mm×62mm,重さは約57g.製造はパシフィック電子が担当する.


写真2 パシフィックメディコの「Pulse One III(PMP-125)」

 

 利用方法はシンプルで,本体に人差し指をはさみ込むだけで経皮的動脈血酸素飽和度を測定できる.ノイズ除去と信号処理の技術により,体動や低灌流(血流量が少ない)時にも安定した測定値が得られるという.カラー有機ELディスプレイを採用しており,脈波形表示が見やすい.表示方向切り替えボタンにより,画面を180度反転表示できる.測定値の点滅によってSpO2下限と脈拍数上限/下限を知らせるアラーム機能を装備する.

 小児から成人まで幅広く対応できる4種類のオプション・プローブを用意する.本体とプローブのどちらに指を入れたかを自動認識し,測定を開始する.単四アルカリ電池2本で,約35時間の連続使用が可能.

 

●体内22系統144項目の健康度情報を数値とグラフで表示

 トラストレックスは,体内22系統,144項目の健康度情報を数値とグラフで表示するアナライザ「QRM Health Analyzer」を展示した(写真3).本アナライザは,ノート・パソコンなどに接続して健康度をチェックするもので,測定者はパソコンに被験者の名前,性別,年齢,身長,体重を登録する.被験者が測定用のスティックを握ると解析が始まる.仕組みとしては,人体内のさまざまな場所で発生している微量な電気抵抗値を測定用スティックで検知し,このデータをパソコンに取り込む.

 

写真3 トラストレックスの「QRM Health Analyzer」

 

 1回の測定時間は約60秒.測定中は,パソコンの画面上に現在どこの電気抵抗値を検知しているかがビジュアルに表示される.取り込まれたデータは,「心臓と脳」,「肺」,「免疫機能」など22系統に分類され,テスト・レポートとして項目別のグラフが表示される.同社では,今後も測定項目を増やしていくという.

 

●近赤外線を利用して体を内部から温める

 エビス電子は,近赤外線を利用した温熱器「LED近赤君」を展示した(写真4).赤外線は可視光より若干長い波長の電磁波で,物質の水分子を振動させて温める性質を持っている.赤外線は波長によって,遠赤外線,中赤外線,近赤外線の三つに分けられる.近赤外線は波長0.75μm~4μmを指し,動植物の体に対する吸収が少なく,生体を温める性質がある.一方,遠・中赤外線は肌の水分に吸収され,体の内部まで温かくならない.

 

写真4 エビス電子の「LED近赤君」

 

 本温熱器を利用する際には,付属のベルトによって温めたい部分に直接装着する.ポイントとしては,「大椎(安眠,肩こりなど)」,「下腹(腸など内臓の活性化)」,「仙骨(下半身の温めや腰痛など)」の3個所を目安にすると良いという.温度については,長時間装着していても不快に感じない40℃(お風呂の温度と同等)をキープしている.電源はUSBケーブル経由の供給に対応しており,付属のAC電源変換アダプタを使って家庭用コンセントからも電源供給が可能.電気代は1日約6時間の使用で,約5円/月.外形寸法は137mm×100mm×5mm,重さは100g.本温熱器の応用事例として,ベッド,あんか,スリッパ,クッションなどに利用できるという.

 

1  2  »
組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日