環境発電(エネルギー・ハーベスト)を利用したシステム開発 ―― ワイヤレスとバッテリレスを組み合わせてビル設備のエネルギー消費を大幅削減
●14バイトのデータを取得
次に,送信するデータ構成(パケット仕様)について説明します.
EnOcean社の無線モジュールでは暗号化の処理が行われていません.バイナリ・データを組み合わせて,そのまま送受信します.これは,低電力で動作させるためです.
データ配列の例を以下に示します.
[SYNC_1] | [SYNC_0] | [H_SEQ/LENGTH] | [ORG] | [DATA3-0] | [MID3-0] | [STATUS] | [CHKSUM] |
8ビット | 8ビット | 3ビット/5ビット | 8ビット | 8ビット×4 | 8ビット×4 | 8ビット | 8ビット |
開発キットでは,デフォルトでは上記のようなデータ配列になっています.バイナリ・データが表示できるターミナル・ソフトウェアであれば,上記のデータを取得できます.
取得データの内訳を以下に示します.
[00] | [02] | [03] | [04] | [05] | [06] | [07] | [08] | [09] | [10] | [11] | [12] | [13] | ||
[A5] | [5A] | [HEAD] | [ORG] | [DAT3] | [DAT2] | [DAT1] | [DAT0] | [MID3] | [MID2] | [MID1] | [MID0] | [STATUS] | [ChkSum] | - STM |
[A5] | [5A] | [HEAD] | [ORG] | [DAT3] | [DAT2] | [DAT1] | [DAT0] | [MID3] | [MID2] | [MID1] | [MID0] | [0x00] | [ChkSum] | - Soler |
トータルで14バイトのデータを取得できます.各バイト・データは以下のとおりです.
- [SYNC_1],[SYNC_0]はそれぞれA5,5A
- HEADは,0x0B(送信)/ 0x6B(受信)
- ORGは,0x05:PTM(RPS)/ 0x06:STM(1バイト:1BS)/ 0x07:STM(4バイト:4BS)/ 0x08:CTM(HRC)/ 0x0A:6バイト・データ(6DT)/ 0x0B:モデム・アクノレッジ(MDA)
- STATUSは,0x20:OFF / 0x30:ON
- DAT0~DAT3は,取得したデータを4バイトで表示
- MID0~MID-3は,出荷時に設定されたノードのIDを4バイトで表示
●EasyCommを使ってデータを受信
では,実際に評価キットを使ってシステムを構成した例を示しましょう.ここでは,ExcelなどのVBA(VisualBasic for Applications)を利用してシリアル・ポート(COMポート)にアクセスするツール「EasyComm」を使ってデータを受信するまでを説明します.EasyCommの使い方についてはEasyCommのWebページ(http://www.activecell.jp/ec/index.htm)などを参照してください.
まず,EasyCommのモジュールのec,ecDef,Module1,Module2,Module3をExcelにあるVBAのモジュールとして組み込みます.続いて,ExcelのワークシートにVBAのボタンを二つ用意します.リスト1にVBAのサンプルを示します.この例では,それぞれのボタンをCommandButton1,CommandButton3としています.
リスト1 EasyCommを使ってデータを受信するVBA
'Generalの変数宣言 Dim Stop_id As Byte Private Sub CommandButton1_Click() |