消費者自身がほしいものを開発! 町の発明家か? 新たな「ものづくり」のスタイルか? ―― PROSUME 2010
●NXTとリバーシ対戦
いま研は,人間とリバーシ(いわゆるオセロ・ゲーム)の対戦を行うロボット「LEGO+ Plays Othello ver.2.0」を展示した(写真7).LEGO MINDSTORMS NXTを2台使っており,1台にはこまの白黒を確認する機能と打つ手を考える機能,こまを指す機能を,もう1台には盤を移動する機能を担当させている.こまをつかむために,Arduino基板を使った電磁石を動作させている.前バージョンではこまを裏返すのは人間が行っていたが,ver.2.0ではこまを裏返すための機構を設けた(上部レールの右側の部分.こまを載せると滑り落ちながら裏返り,元のマスにはまる).

写真7 いま研が展示した「LEGO+ Plays Othello ver.2.0」
ちなみに,ロボットの打つ手を考える機能は「小学生でも楽に勝てる」程度であり,今後の改善が必要だという.
●ジャンクCD-ROMドライブでキャラクタ・ディスプレイを製作
菅原 康博氏は,ジャンク・ショップにて1台100円で購入した中古CD-ROMドライブを縦5台×横5台並べ,トレイの開閉で文字を表示するシステム「BigDigi: 超大型キャラクタディスプレイ」を展示した(写真8).同氏は,ジャンク品のCD-ROMドライブの中にもさまざまな部品が含まれていることを示し,それらの部品にアイデアを付加して再利用することにより,価値を高められることを提案していた(写真9).

写真8 菅原 康博氏が展示した「BigDigi: 超大型キャラクタディスプレイ」

写真9 中古CD-ROMドライブの中に含まれている部品の展示
●パソコン不要,カードでプログラムを読み取るプログラミング教材
ジェイエス・ロボティクスは,小中学生向けのパソコンを使わないプログラミング教材「てんとう虫ロボット」,「かぶと虫ロボット」を展示した(写真10).このロボットは,内蔵プログラムを実行して相撲やライン・トレースなどを行わせることができるほか,黒と白で塗り分けたプログラム・カードをスライドさせて読み取ることにより,オリジナルのプログラムを記憶させて実行することもできる.てんとう虫ロボットは,振動モータとブラシで移動するが,かぶと虫ロボットはモータと車輪で移動する.このほか,かぶと虫ロボットの巨大バージョンも展示していた(写真11).巨大バージョンはただのモックアップではなく,実際に動かすことができるという.

写真10 ジェイエス・ロボティクスの「てんとう虫ロボット」,「かぶと虫ロボット」

写真11 てんとう虫ロボットの巨大バージョン(主に展示用)
裏面に,てんとう虫ロボットの基板が埋め込まれている.
●安価なWebカメラと汎用パソコンで空間タッピングを実現
ネクステッジ・テクノロジーは,指先で空間をタッピングできるポインティング・システム「aeroTAP」を展示した(写真12).汎用のパソコンとWebカメラを使い,ディスプレイの前で指を動かすことにより,ディスプレイ上の表示を変更できる.Webカメラを2個並べて奥行きを認識し,ディスプレイの近くの動作のみを認識させることもできる.

写真12 aeroTAPのデモンストレーション
デモンストレーションの映像や音響効果は,武蔵野美術大学の中野 圭氏とのコラボレーションで作成したとのこと.