衝突しないクルマを目指して ―― 人とくるまのテクノロジー展(自動車技術展)2010レポート
●プラグイン・ハイブリッド車で環境負荷をさらに低減
環境問題への対応では,プラグイン・ハイブリッド車の展示が目立っていた.プラグイン・ハイブリッド車は通常のハイブリッド車とは違い,充電器とプラグを備える.住宅や店舗,オフィス,倉庫などの交流電源を使って駆動用バッテリを充電できるので,通常のハイブリッド車に比べるとモータ走行の期間を長くとれる.このため,通常のハイブリッド車よりも地球温暖化ガスの排出量が下がる.
自動車メーカのトヨタ自動車は,プラグイン・ハイブリッド車「プリウスPHV」のカット・モデルを展示し,来場者の注目を集めていた(写真10~写真12).既存のハイブリッド車「プリウス」のモータ走行の最高速度が55km/h,走行距離が100m~2kmであるのに対し,「プリウスPHV」ではモータ走行の最高速度が100km/hに高まり,走行距離が23.4kmに伸びる.
写真10 プラグインハイブリッド車「プリウスPHV」のボンネット下
手前がパワー・コントロール・ユニット.奥がガソリン・エンジン.
写真11 プラグイン・ハイブリッド車「プリウスPHV」の運転席下
充電器が配置してある.
写真12 プラグイン・ハイブリッド車「プリウスPHV」のラゲッジ・スペース下
バッテリを積んである.
自動車メーカのいすゞ自動車は,小型貨物自動車(小型トラック)「エルフ」のプラグイン・ハイブリッド・モデルを参考展示した(写真13~写真15).すでに市販されているエルフのディーゼル・ハイブリッド車をベースに,プラグイン・ハイブリッド化した車両である.2010年に走行評価を始める予定.
写真13 プラグイン・ハイブリッドの小型トラック「エルフ プラグイン・ハイブリッド」の説明パネル
写真14 エルフのハイブリッド・モデルおよびプラグインハイブリッド・モデルはいずれもリチウムイオン・バッテリを積載する
写真15 プラグイン・ハイブリッド・モデルの電気系が分かるように展示されていた
ふくだ・あきら
テクニカルライター/アナリスト
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