衝突しないクルマを目指して ―― 人とくるまのテクノロジー展(自動車技術展)2010レポート
●前方歩行者を検知してグラフィックス表示
自動車用電装システムの大手メーカであるデンソーは,夜間の走行中に前方の歩行者を検知してグラフィックス表示するメータ・システムを開発し,展示していた(写真5,写真6).トヨタ自動車の高級乗用車「クラウンハイブリッド」に採用されたシステムである.
写真5 夜間の走行中に前方の歩行者を検知してグラフィックス表示するメータ・システムの説明パネル
写真6 グラフィックス表示メータで歩行者を表示したところ
右コーナ(カーブ)の外側に2名の歩行者が枠付きで表示されている.なおこのメータは,速度計や回転計などにも変化する.
開発したシステムは車両の前方に近赤外線を照射し,近赤外線カメラで映像を撮影する.車載の画像処理ユニットが映像内の歩行者を検知し,歩行者を枠で囲った情報をグラフィックス表示メータに送信する.ディスプレイは12.3型で1280ピクセル×480ピクセルのフルカラー液晶パネル.歩行者を検知すると,歩行者部分と前方映像をそれぞれ黄色い枠で囲んで表示し,運転者に注意を促す.