統合開発ツールで"ラクラク"マイコン開発 <ARM編> ―― コードを自動生成させればすぐに動作する

山際 伸一

3.ツール活用による 効率の向上を体験

 実はマイコン開発は,商用ツールを使うと相当効率が上がります.どのくらいの向上を図れるかは感じ方次第ですが,実際に体験してみれば,有償である価値が分かるでしょう.

 ここではドイツKeil社(英国ARM社の一部門)のARMマイコン向け開発環境である「RealView Microcontroller Development Kit」を使った開発を体験をしてみます(後述のコラム「RealView Microcontroller Development Kitのインストール」を参照).

 ターゲット・マイコンは,オランダNXP Semiconductors社の「LPC2388」です(写真1).


写真1 NXP Semiconductors社の「LPC2388」を搭載するボード

●プロジェクトの作成

 最初にプロジェクトを作成します(図5).μVision4のメニューから「Project」→「New μVision Project」を選択します.プロジェクト名は,ここでは「KEIL_AppTest」とします.CPUの一覧が表示されたら「NXP」-「LPC2388」を選択します.


図5 プロジェクトの作成


 プロジェクトには,すでにLPC2300.sというファイルが含まれているはずです.実はプロジェクトを作成しただけで,ターゲット・マイコンに合わせたスタートアップ・ルーチンを,ツールが自動的に生成してくれました.プロセッサの起動からアプリケーションを実行するまでの設定を調べなくても済むことになります.

 図6に示すように,μVisionではコードのカスタマイズ機能が用意されています.起動用のコードのファイルを開き,「Configuration Wizard」タブをクリックすると,起動コード中で変更可能なオプションをGUIで選ぶことができます.この選択については,後述の実験のところで体験してみましょう.


図6 コードのカスタマイズ機能
GUIを使ってスタート・アップ・ルーチンの処理内容を選択できる.

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