スキル診断調査,組み込み技術者 vs. IT技術者
●ハイレベル人材の多い職種はスキルも年収も高い
職種別の総合スキル・レベルと年収の関係(図7)をみると,両グループともハイレベルの人材が多い職種では比較的平均スキルも年収も高い.
組み込み技術者では,「プロダクト・マネージャ」や「プロジェクト・マネージャ」,また「開発プロセス改善スペシャリスト」や「ブリッジSE」などにおいて,ミドル・レベル(レベル3~4)で600万~750万円程度の平均年収となっている.一方,IT技術者では,「コンサルタント」や「プロジェクト・マネジメント」,「マーケティング」,「エデュケーション」などの職種で,ミドル・レベルで550万~750万円程度の平均年収となっている.
両者ともハイレベルの人材が少ない職種では,平均スキルはエントリ・レベルで,450万~550万円程度の年収となっている.
企業規模別に従業員のスキル・レベルと年齢の関係(図8)をみると,両グループにそれほど大きな違いは見られない.ただし,従業員500人~1000人の規模の企業に注目すると,スキル・レベルの平均値は組み込み技術者が2.5,IT技術者が2.8となっている.また,組み込み技術者の平均年齢が30.3歳であるのに対して,IT技術者では36.9歳と,高くなっている.
月平均労働時間とスキル・レベルの分布(図9)を比較してみると,両者とも6~7割は月160~200時間,1日約8~9時間程度の労働時間であり,労働時間とスキル・レベルはある程度比例しているようだ.
ただし,IT技術者において全体の0.5%とわずかではあるが,280~320時間の長時間労働でスキル・レベルが2.7というように生産性が低いと考えられるグループが存在する.組み込み技術者でも280~320時間の長時間労働のグループでは若干生産性が下がると考えられる.