「電気自動車」時代到来,自動車産業がエレクトロニクスの発展を駆動へ ―― 東京モーターショー2009レポート
ヤマハ発動機は,電動スクータのコンセプト・モデル「EC-03」を展示した(写真15).リチウムイオン電池と永久磁石型同期モータで車輪を駆動する.外見からは後輪駆動のようだ.出力は,第1種原動機付自転車に相当するとしている.
写真15 ヤマハ発動機の電動スクータのコンセプト・モデル「EC-03」
ヤマハ発動機は,電動アシスト自転車のコンセプト・モデル「PAS er」も展示した(写真16).PAS erは前輪と後輪の両方をモータがアシストする2輪駆動方式を採用した.走行中に運転者の心拍数を測定し,負荷が適性な値になるようにアシスト量を自動的に制御する仕組みを載せている.車両の外形寸法は,全長が1,600mm×全幅525mm,ホイール・ベースが1,080mm.バッテリはリチウムイオン電池である.モータの定格出力は,前輪ハブ・モータが100W,中央部(後輪駆動用)モータが150W.
写真16 電動アシスト自転車のコンセプト・モデル
2輪販売代理店のオート・サプライは,イタリアの2輪メーカAdivaが開発した屋根付き電動3輪スクータ「moose(ムース)」を参考展示した(写真17).2010年に販売を開始する予定である.車両の外形寸法は全長2,170mm×全幅800mm×全高1,650mm.リチウム鉄(LiFe)系のリチウムイオン電池を搭載しており,2000回の充電回数を保証する.耐用年数に換算すると5~6年に相当するという.リチウムイオン電池の開発・供給企業は米国LIFEBATT Tech社である(写真18).
写真17 Adivaの屋根付き電動3輪スクータ「moose」
写真18 「moose」が搭載したリチウム鉄系のリチウムイオン電池
2000回の充電回数を保証するという
最高時速は45km/hだがこれはリミッタが付いているためで,実際には60km/hは出せるという.駆動用モータの最高出力は4.5kW,最大トルクは37Nm.航続距離は40km~85km.充電時間は専用充電器で15~20分(80%充電),家庭用100Vコンセントで2時間(80%充電).フル充電の場合は,100Vで4時間くらいかかる.
ふくだ・あきら
テクニカルライター/アナリスト
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