FPGA活用回路&サンプル記述集(2) ―― モータやLEDを駆動するパワー回路
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技術解説 2009年3月 9日
事例5.2相ユニポーラ・ステッピング・モータの制御回路
森田 一
外部回路
- 回路図:図5-2
- 主要部品:パワー・トランジスタ
- Verilog HDL:リスト5-1
- 外部入力:なし
- 外部出力:ap,an,bp,bn
- 内部入力:step,cw,clk,nreset
- 内部出力:なし
- パラメータ:なし
- Altera社,Quartus II
ステッピング・モータは1パルスで回転する角度が一定しているので,フィードバック制御をしなくても,回転角や回転速度を制御できる利点があります.ここでは2相ユニポーラ・ステッピング・モータの制御をFPGAで行います.
● ステッピング・モータの動作原理
ステッピング・モータの動作原理を図5-1に示します.ステッピング・モータにはA相,B相,A相,B相の4個のコイル(固定子)と,N,Sに着磁された磁石(回転子)から構成されます.
・1相駆動
4個のコイルのいずれか一つに電流を流すことにより,そのコイルに発生した磁極に回転子の磁極がひきつけられます.1相駆動の場合は電流を流すコイルを, A→B→A→B→A と順次変化させることにより,この図では90°ずつ反時計回りに回転します.・2層駆動
2相駆動の場合は, A&B→B&A→A&B→B&A→A&B と,隣り合う2個のコイルに電流を流すことにより回転子を回転させていきます.こうすることにより1相駆動に比べてトルクが大きくなるとともに,回転中のトルク変動が軽減されるメリットがあります.・1-2相駆動
1-2相駆動の場合は,1相駆動と2層駆動の電流パターンを交互に利用します.こうすることで1相または2相駆動の半分のステップ角が得られます.・マイクロステップ駆動
上記の三つの駆動方式では,すべてのコイルに流す電流はONまたはOFFするだけでした.各層に流す電流を徐々に変化させ,微小なステップ角を得ながらより滑らかな回転をさせるマイクロステップという駆動方式もあります.tag: FPGA