FPGA活用回路&サンプル記述集(2) ―― モータやLEDを駆動するパワー回路

浅井 剛

事例6.IGBTモジュールを利用したブラシレス・モータ駆動回路

相田泰志

外部回路
  • 回路図:図6-1
  • 主要部品:IGBTモジュール,電流検出アンプ
HDL記述
  • VHDL記述:リスト6-1
  • 外部入力:CLK1,m_flg,t_flg,t_mode
  • 外部出力:HI_V,LO_V,HI_V,LO_V,HI-W,LO_W,U_SNS,U_OC,V_SNS,V_OC
  • 内部入力:なし
  • 内部出力:なし
  • パラメータ:なし
評価環境
  • Xilinx社,Spartan-3評価ボード,ISE WebPACK

 ブラシレス・モータはステッピング・モータのように,コイルの相間に電流を流して回転します.回転数やトルクが制御できるため,いろいろな用途に利用されています.

 図6-1に駆動回路の一例を示します.これは駆動用のIGBTモジュール「IRAMX16UP60A」(米国International Rectifier社)を使用したものです.スイッチング素子およびハイ・サイド,ロー・サイドのドライバが一つになっており,FPGAと簡単に接続できます.また,内部温度上昇を検出できるようにサーミスタが内蔵された品種も用意されています.

zu06_01.gif
図6-1 DCブラシレス・モータの駆動回路

● 電流波形からロータの位置を知る

 ブラシレス・モータの場合,回転に合わせて駆動をしていく必要があるため,ロータの位置を知る必要があります.位置を知るセンサが付いた品種と,エアコンや冷蔵庫のコンプレッサのようにセンサが付いていない品種があります.

 センサがない品種の場合,電流波形によりロータの位置が分かります.図6-2に駆動波形を示します.この順番で駆動を行います.リスト6-1に波形発生モジュールのVHDL記述を示します.図6-3に駆動波形と電流波形を示します.このように電流方向が変わったタイミングを電流センサにて検出できるので,このタイミングを利用して,図6-2の波形を発生させていきます.

zu06_02.gif
図6-2 ブラシレス・モータを3相励磁方式で駆動

zu06_03.gif
図6-3 ブラシレス・モータの位置を電流波形から把握する

architecture Behavioral of test02_te is

 signal t_mode :  std_logic_vector(3 downto 0); 
 signal step_out : std_logic_vector(5 downto 0);  
                       -- HU HV HW LU LV LW
 signal m_flg :  std_logic; 

begin
motor_m: process (CLK1)
begin
 if(CLK1'event and CLK1 = '0')then  -- CLK1↓

  if(m_flg = '0') then 
   t_mode <= "0000";
  else 
   if(t_mode < 6 ) then   
    t_mode  <= t_mode + 1;  
   else       
    t_mode <= "0001";  
   end if ;          
  end if;
 
  case t_mode is
   when "0001" => step_out <= "100010"; --0deg
   when "0010" => step_out <= "100001"; --30deg
   when "0011" => step_out <= "010001"; --60deg
   when "0100" => step_out <= "010100"; --90deg
   when "0101" => step_out <= "001100"; --120deg
   when "0110" => step_out <= "001010"; --150deg
   when others => step_out <= "000000"; --off 
  end case;
  
 end if;
 
end process motor_m;

end Behavioral;
リスト6-1 ブラシレス・モータを3相励磁方式で駆動するVHDL記述

 ステッピング・モータの場合は,パルス周波数だけで回転速度を変更できます.ブラシレス・モータの場合には,駆動電圧を変化させることで,回転数とトルクを変化させていきます.そこで図6-4のようにPWM方式を利用することによって,(2),(3) のように見かけの電圧値を変化させたり,(4) のようにAC波形に近似させます.

zu06_04.gif
図6-4 PWM方式で回転数を制御する

そうだ・やすし

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